二人制審判の勉強



(6)二人制審判 ジャッジの分業   磯部審判員
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 私は以前より、草野球を仕事仲間でしたり、プロ野球などの観戦をすることが大好きでした。

 そこで、さらに野球漬けになりたいと思い、UDCの井上公裕氏のご紹介でジム・エバンス氏の講習会に審判経験のないまま参加したのが、審判への第一歩でした。

 その講習内容は、いきなり二人制審判のテクニックでした。それまで私が観戦してきた野球では、四人制や三人制でしたので、まるっきり未知の形態でした。そもそも審判経験がないので、なにもかもが新鮮で驚きでした。

 その後、MBUAの皆様にお世話になり、今日に至っておりまして、草野球の一人での審判を任されるようになり、また、年に数回の二人制審判も経験させていただいております。

 今回は一人制のときに感じる、塁審の必要性について考えてみました。

 一人制の審判は、球審も塁審も兼ねているために、ストライク・ボールの判定をしてから、打球の行方、送球の行方、ランナーの走塁、触塁の確認、タッグプレイなどを判定しなければなりません。

 塁上にランナーがいなければ、なんとかなる場合が多いですが、速い内野ゴロのときなど、打球も、送球も、ランナーも全てが速いと追いつかずによりよい角度をとることが困難になります。



切れのいいジャッジをする球審は著者です

 外野にライナーやフライが飛んだときには、捕球の確認をし、捕球できなかった場合は直ちにランナーの動きに注意するなど、まさに目が回る忙しさになります。

 塁上にランナーがいた場合は、さらに大変なことになります。投球の判定をしなければならないのに、牽制球や盗塁によるタッグプレーの判定。これは、一人では正確なジャッジは無理でしょう。

 外野フライの時のタッグアップや、長打になった場合など、一人で走り回りへとへとになることがあります。

 一人制での不確実なジャッジを補うためにも、二人制では確実にジャッジしていかなくてはなりません。それにはまず、塁審として、送球に対しての角度をとることや、プレーの見える位置(角度と距離)を確保することが重要となってきます。

 ランナーの走塁や野手の送球を読んで(リード)ボールを見ながら動く(リアクト)ことなど、球審をやりながらではないので、その分、集中してできるようにしなければなりません。

 球審の仕事は半減し、少しは楽になり、投球の判定に神経をさらに集中できます。さらに、コミュニケーションを取り、球審、塁審のそれぞれの受け持ちを確認するということが大切です。

 また、孤独ではないという安心もそこにはあるのではないでしょうか。余裕があれば、試合前の打ち合わせや、試合中に確認することもできます。私などまだ経験が浅いので、どんどん質問したり、意見を伺ったりしていきます。

 先日の、二子健保スポーツセンターでは、二人制の球審として1試合、塁審として1試合を行うことができました。2試合ともに、長打が少なく、球審のベースカバーや、塁審によるトラブルボール、ダブルプレーなど1回あったかどうかでした。

 パートナーとしてとても経験がある方々がご一緒していただいたので、とても安心して自分の持ち場に集中できました。

 ひとつ球審をしていての後悔があります。それは、ハーフスイングのリクエストをする判断を迷い、そのまま「ボール」としてしまったことです。せっかくのチャンスでしたので、塁審に確認をすればよかったのでは? と思っています。

 ホームプレートと三つのベース、9人ずつの選手達、計18人、そして広々としたグランドを、一人ではなく二人で操るという楽しみに向かって、これからもさらに勉強していきます。


(2007年11月1日)


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