二人制審判の勉強



(12)二人制審判の球審編(5)

首都圏野球審判協会・二人制システム勉強会

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 先日の試合でこんなことがありました。1アウト走者2塁、3塁でセンター方向へ打球が上がりました。風の影響でぐんぐん伸びていきます。

 2塁・3塁間にいます塁審はワーキングエリア(最適な塁審の移動する範囲)を出て打球を追い、ノーキャッチをコールしました。2塁、3塁にいました走者はホームを駆け抜けました。


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 打者走者が2塁へ到達した時点で1塁手から、塁審へ向けて
「審判さん1塁踏んでいませんよ」さらに「審判さんは1塁を見ていないでしょう」というアッピールがありました。

 2塁審判は「ハイ。1塁は私は見ていません。球審が見るのです。聞いてみましょうか」
 球審の答えは「ハイ。しっかり見ていましたよ。セーフ」

 1塁選手「なるほど、私は塁審が見るものと思っていました。すいません」

 選手は二人審判がいるので、触塁は塁審が見るものと思っている方が多いいのです。また、このようなアッピールをする選手はある程度野球を知っているのです。


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 先日、ある公式大会の「二人制審判」を見学させていただきました。やはり同じような場面で、塁審は打球を追っているのに球審は触塁を見ていません。


 この場面での球審の仕事は2塁・3塁から駆け抜けてくるホームの確認と1塁の触塁の確認です。一瞬の内に3つの仕事をやらなければならないのです。

 観客に「私は見ている」という「首振り」動作をしなければいけません。

 もう一つ、捕球された場合の事を頭にいれて3塁走者のタッチアップの確認です。一瞬の内にいろいろなプレーを予測しなければなりません。

 それでは3塁の触塁は「誰が見るの」と言うことになります。実はこれも球審なのです。そんな3つも4つも見られないでしょう。
 
 球審は、打球の方向にまず一歩でます。次に状況を判断します。この場合はピッチャーマウンド方向へ進み、1、3塁が見え、かつホームベースがしっかり見える位置を確保することが大切なのです。

 球審の仕事は目が回るぐらい忙しいことがあるのです。


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 さて、ここで塁審は「助け舟」の出してあげたいです。それは3塁の触塁です。2塁走者はこの場合「ノーキャッチ」を確認して走り出します。塁審は打球の戻ってくる方向を確認しながらワーキングエリアへ戻り、3塁方向へ「私も見ました」という「首振り」動作をしてあげることです。

 仮に3塁手が「審判さん塁を踏んでいないです」と言われても、二人が見ているので確信をもって応えることができます。

「二人制システム審判」は二人の共同作業により「穴」をつくらないことに楽しさがあるのです。

 今回は、はしょって書いたので「穴だらけ」かもしれませんが。


(2008年6月1日)


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