審判員の本音
審判員の本音
◇◇◇ 境野興造審判員 ◇◇◇


【16】選手のマナーについて
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 最近はグランドでの「もめ事」をほとんど目にする事がありません。何面もある広いグランドを見ていても、まず試合を楽しんでいる姿が目に入ります。
 審判員をつけての試合、チームどうしで審判を出し合っての試合等々です。それぞれのチーム事情があるのでしょう。

 ふり逃げだったように思います、キャッチャーから一塁手に送球されアウトと思い見ていました。その直後走者と一塁手が接触してしまいました。グラブよりボールはこぼれていました。「セーフ」と判断をされていたようです。

 走者1塁。二塁手への低い打球をグラブで(ダイレクトキャッチしたように見えた)一度落として2塁〜1塁のダブルプレー成立のケースを目撃いたしました。

 以前でしたら当然もめ事の始まりです。走塁妨害だの、守備妨害など、また故意落球だのと、言いたい放題で「けんか」に発展です。が抗議もなし、平然と試合はつづきました。

 草野球も本当にマナーが良くなったと、感心いたしましたが、考えさせられる事にきづきました。それは選手達がある意味では審判員を信頼してくれている。一つの事例だと思いますが、我がSSLリーグもそうですが本当に素晴らしいチームに出会います。

 これってもしかして、松井・イチロー・他の日本人メジャーリーガーの試合中継が大いに影響を与えてはいませんか。 彼達は日本を代表する選手ですよね、技術、マナーそして頭脳、超一 流です。とっても面白いスリリングな試合を見せてくれています。誇らしいマナーの良い選手達です。

 メジャーの審判員の面白い事、灰汁の強い審判、一人ひとりが、本当に大きい選手に負けていない “体力では負けないぞ”そんな審判団に思えます。

 メジャーのジャッジは絶対と聞いています。ミスジャッジであろうがこれは否定しては野球が始まらない、と、言う事。この事はすでに折り込み済みと選手達は思っているのでしょう。

 メジャーの選手たちは、苦笑いをしながらきっと心の中では、「あほー」と叫んでいるのでしょう、千に一つの間違いをとやかく言うより、ゲームを進めた方が面白い事をよく理解しているのでしょう。退場を食らうのは、いつも監督、コーチのように見えます。

 しかし審判員はこの事に甘えてはいられません。 一つでもミスを失くしていく努力、勉強これが絶対に必要です。

 判定を信じてゲームを行う選手たち、そして、これにこたえる審判員と、お互いが信頼しあって成り立っているのがこの野球・ベースボールなのです。


 (2005年9月1日)


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