◇◇ 平田 東審判員 ◇◇


■その21
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 在籍11年の思い出を胸に、明治神宮外苑審判協会を平成7年8月に退会しましたが、審判技術については、茨城県軟連で学んだ4人制の審判経験は多少あるとはいうものの、1人制〜3人制の審判についてはまったく未知の世界のことでしたので、この1〜3人制の審判法についてはイロハのイから教わることになりました。

 私の住んでいる茨城県の県南地区から東京の都心までは、距離にして60キロ圏に位置していますが、僅かの距離しか離れていないにも拘わらず、東京では1人制〜3人制の審判で試合が行なわれていたことには驚きと同時に私の認識不足でした。

 審判とは4人制が常識であたり前と思っていましたので、最初は動き(フォメーション)を覚えるのが大変だったことが思い出されます。

 外苑の審判協会を退会したあとは、地元の野球の審判でもするつもりでしたが、秋の大会までには2ヶ月近くもあり、この間の時間を無駄にするのも勿体ないと、審判活動ができそうな審判クラブや組織に声をかけてみました。

 最初に声をかけたところは三郷のサンケイ審判クラブで、テストのつもりで数試合の審判をしましたが、外苑協会時代に比べて物足りなさを感じて、次を探すことにしました。

次の審判クラブは埼玉県大宮市(現さいたま市)に60面ほどのグラウンドを持つ、東京健保組合のグラウンドを中心に活動をしている、S審判クラブを知人に紹介してもらい、この後1年少々地元の試合がないときを選んで自宅から片道60km、時間にして1時間40分ほどの距離を、バイクに乗って遠い大宮まで出かけました

 一方でサンケイ審判クラブのT氏と、東京の北部中心に活動していたN氏が友人という関係で、東京都専門学校秋季野球大会(東綾瀬で開催)の審判を依頼され、この年は数試合お手伝いをしました。

 また外苑協会時代の友人が審判クラブ結成を準備中で、自身の審判依頼の中から試合を回してもらったりして、この年の秋は地元・大宮・専門学校・軟連・友人の試合と、まだまだ神宮時代の比ではありませんでしたが、急激に減少すると思われた審判活動の見通しは暗いものではありませんでした。

 捨てる神あれば拾う神ありの例えで、私が外苑協会を辞めたことに驚き、外苑の現役の仲間やOBが電話や手紙で随分励ましてくれました。
 このときは一緒に汗を流しあった仲間の有難さがつくづくわかりました。
外苑協会を去って8年が過ぎましたが、現在でも当時の現役の仲間や多くのOBとは、春先の情報交換を含む懇親会、また年賀状等のやり取りを続けています。


 平成8年は、平成7年後半に関連した審判活動で過ごしましたが、特筆するとすれば第78回全国高校野球選手権大会の茨城県大会予選の審判委員として、平成7年に続き参加できたことだと思います。
試合は、12−2(6回コールド)、6−3、8−0(7回コールド)の3試合を担当しましたが、球審としてマスクをかぶることは昨年に続いてありませんでしたが、一塁・二塁・三塁の塁審をそれぞれ1試合ずつ務めました。

 平成9年になると審判の依頼も多くなり、シーズンが終わってみると年間トータルで、外苑協会時代の試合数とほぼ同数になっていました。

 参考までに当時以降の試合数を記載してみますと、平成6年:外苑協会237試合、7年:外苑協会8月退部188試合、8年:160試合、9年:224試合、10年:237試合、11年:270試合、12年:275試合、13年:274試合、14年:350試合、15年6月末現在:167試合と順調な審判活動が続いています。

 今年の審判活動も昨年と同じようにハイペースで推移していますので、私自身の通算審判活動の最終目標5000試合は、早ければ平成16年のシーズン終了ころには達成できるのではないかと思っています。

 現在は平成7年秋に専門学校の大会のお手伝いが縁で、北都審判倶楽部を10数年前に創立し、審判部長を務めるN氏とは野球に賭ける情熱が私と一緒ということで共鳴し、その後正式な部員となりました。
私は現在、様々な組織の審判の依頼を受けていますが、北都審判倶楽部での年間活動は全体の7割程度というところでしょうか。 

 私の所属する北都審判倶楽部は、主に東京都の北部を中心に活動し、年間を通してのタクシーリーグ、春と秋年2回開催のアークカップ杯の大会(各々250チーム以上が参加)、4月から11月まで年間を通して行なわれる関東草野球リーグ戦(約230チーム参加)、先に述べた東京都専門学校野球大会(春・夏・秋開催)と全国大会などの試合の審判に携わっていますが、倶楽部の部員数は約30名の組織です。

 関東地区のチームの方は、地元で或いは新聞紙上でチーム名を見たり聞いたりされたことがあるかと思いますが、佐川急便・東京ラインプリンタ印刷・豪球会ワイルドプレイヤーズクラブ・レゼェンド・習志野バブルス・和名ヶ谷フレンズ・アスレチックス倶楽部・丸一鋼管・K‘S・柏パイレーツ・船橋あけの・サンデーズ・瀧野川信用金庫・凸版印刷・三和ロイヤルズ・若穂アストロズ・光球会・とらひげ・日油技研工業・龍ヶ崎バスターズ・等々の強豪チームが、関東草野球リーグ戦やアークカップのトーナメントに参加し、柏市や埼玉県三郷市、また大宮健保球場など関東一円で年間を通して熱戦を展開しています。

 審判も1人制(リーグ戦)或いは2人制(トーナメント)ですので、大学や高校時代に活躍した選手や、元社会人野球経験者の選手も多い中での試合は、厳しいジャッジが要求されることもしばしばです。

 小林晋さん、篠宮慎一さん、酒井猛寿さんの元プロ野球審判員の方も、試合数の多いときは応援の形で審判に出てきていただいていますが、ときには一緒に組んで審判をさせていただく機会に恵まれたときは、なんとか審判技術を盗むことができればと心がけてはいますが、やはりプロの世界で鍛えられた方とアマでのんびり過ごしたものとの差は、計り知れないほどの大きさがあると感じます。
試合の前後には、懇切丁寧にさまざまのケースについてアドバイスをしていただけることは、本当に有難いと思っています。

 私にとって年令から考えても引退の時期が遠からず迫っていることは事実で、試合が重なると体の疲れの回復も時間が掛かるようになりました。
 集中力を長く保つことも、少しずつ失われていくように感じます。
このような状況の中で、審判上のミスが重なるようなことがあれば、そのときは即引退の時期であると自分自身の心の中で、密かに覚悟を決めて試合に臨んでいる昨今です。

 次回は最終号となります。


(平成15年6月30日・記)



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