審判受難のシーズン

首都圏サタデーリーグ会長 臼井 淳一




 今シーズンのプロ野球はパ・セ両リーグとも審判の誤審が多く目立ちます。実はこれがプロ野球だけでなくアマチャー野球にも影響を及ぼすのです。まず少年野球の監督などはアウト、セーフにも難癖をつけてきます。子供達も審判に不信を持つようになります。プロ野球の悪い面をすぐまねるのは良くないことです。

 8月3日の東京新聞に広岡達朗氏が「競争ない甘い体質が誤審招く」という見出しで、日米のプロ審判の違い。特に日本の審判は年功序列で競争がないから、ぬるま湯体質である。また、将来、審判学校を設立して優秀に人材を。と書かれておられましたが、果たしてそれだけでいいのでしょうか。日本のプロ審判の待遇をもっと改善すべきではないでしょうか。1年契約で、コミショナーから睨まれれば解雇。年俸は一番高い人で1千万円、それも数人と聞きました。殆どの人は300万から600万。10歳も20歳も年下の選手に罵声は浴びせられるし、挙句の果てには監督・コーチに暴力まで受ける時があります。

 アメリカとの機構の違いはありますが、待遇面で大きく改善しなければ「審判学校」を設立しても優秀な人材は集まらないでしょう。また、日本の場合コミショナーが安易に元プロ野球選手から審判を養成しているのも問題ではないかと思います。いずれにしても毎日のようにテレビ中継があるプロ野球です。選手は3流でもいいですから、審判は一流ではないと、われわれアマチャー審判員にも少なからず被害があることを知ってほしいです。

[1999年8月]