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審判員の利き目・眼(3)


臼井審判員  


 写真を見てください。「かわせみ」がどこにいるか分かりますか。


カワセミ

カワセミ

 私はこの写真を撮っている間、ちょっとカメラから眼を離しますと、カワセミがどこにいるのか分からなくなりました。カワセミが少し動いただけで、まわりの草や木と一緒になってしまうのです。

 動物界の中で一番眼のいいのが鷹と鷲だそうです。視力は人間の約8倍と言われています。鷹や鷲は上空からでも動いている小動物を発見して獲っています。おそらく動体視力も一番ではないでしょうか。

 イチロー選手は、私たちが見ていまして「ラッキーなヒットが多い」と思います。ところが本人は「ラッキーではなく計算済みのヒット」という意味のようなことをテレビで語っていました。

 イチロー選手はストライクゾーンとあまり関係なく、球筋・球威等を計算して、バットコントロールでヒットを打っているのではないでしょうか。それには動体視力が優れていませんとできません。もちろん利き目は右眼ではないかと推測いたします。

 ちなみにイチロー選手も右投げ、左打ちです。左打ちは一塁ベースが近いという利点もありますが、前回、書きましたように利き目が右眼ですと、球筋がよく見え、どんなボールでもバットの「芯」でとらえることができるのではないでしょうか。

 メジャーの選手で打率が2割3分しかありませんが、四死球出塁をプラスして計算しますと4割2分のなる選手がいるそうです。こういう選手がメジャーでも評価されるようになりました。アメリカの野球がだんだんと緻密になっています。

 4割2分の出塁率には動体視力が優れていなければなりません。動体視力とは動いているものを正確見る眼のことです。プロ野球選手は、選球眼が良いのもこの世界で生きていくのに必要なことです。

 日常、車の運転などで、前の車が止まるのを一瞬見過ごしますと事故になります。追突常習者の方は動体視力が劣っているのです。

 私は、運転をしていまして左右前後の「白バイ」を発見するのは早いです。それでもゴールド免許は1回しか頂いたことがありません。なにごとも「過信」は禁物なのです。

「長距離運転をした後の球審はよくありません」と言われています。それは車の運転で動体視力を疲れさせるのです。若い人は回復力が早いですが、年齢を重ねますと回復力が遅くなります。

 下記のテストで私も3問正解しました。若い審判員は4問正解という方もおりました。

 ●動体視力テスト

 選手の皆様も挑戦してください。

 動体視力を維持するには、電車の中で携帯メールのやり取りをしないことです。それに、立ったまま新聞や本などを読まないことです。またパソコンの見すぎもよくありません。(これは反省、反省です)

 遠くを見ることが眼に一般に良いとされています。それもなるべく遠い緑を見るように心がけてください。

 自宅付近から丹沢山塊がよく見えます。30分ほど見ていましたら「大山」から降りてくる人が見えました。次は富士山に登っている人を見ることに挑戦します。

「眼は口ほどに ものを言いすぎる」−反省……。

(終わり)


(2008年2月15日)


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