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本塁上の走塁妨害と守備妨害
2005年2月6日 サタデーリーグ協力審判団


 本塁(ホームプレート)は守備側、攻撃側にとって最も大切な最後の砦であり、捕手は得点を阻止しようとするし走者は捕手のタッグを避けて生還しようと激しいプレイが展開されます。
 この激しいプレイには常に、走塁妨害(オブストラクション)や守備妨害(インターフェアランス)の規則違反があることも事実です。

 以前、少年野球や学生野球において、監督、コーチ等が、ブロックとか体当たりなどという
アンフェアーな行為をあたり前のように指導しているのを目にしました。
 ボールを捕るために走路上や本塁(ホームプレート)の真上に位置しなければならなくなったときでも、走路を故意に防いでよいなどとはルールブックのどこにも記されていません。ただ捕球のために位置することであり「位置する」のと「防ぐ」の違いは誰でも理解できるはずでしょう。

 捕手がボールを捕球しないうちから左膝を曲げてベースを隠し、投球に対するボールの衝撃を避ける為のレガースやプロテクターを走塁阻止に利用して、ホームプレートを踏ませまいとするのはあきらかに「走塁妨害(オブストラクション)」で、その逆に走者がすでにボールを持っている捕手めがけて体当たりしたり、ミットを蹴り上げたりする行為は「守備妨害(インターフェアランス)」です。

「ブロック」とか「体当たり」というアンフェアーで非常に危険な行為で起きる選手の怪我防止の為にも審判員は、毅然とした態度で妨害行為の撲滅に当るべきです。
 数年前、日本高校野球連盟から「本塁上での走塁妨害(オブストラクション)、捕手の位置」を図解した通達が各関係者へ配布されましたが、残念ながらまだ、その情報が浸透してはいないようです。

 しかし高野連審判講習会にその徹底がなされ、全国の各支部にも徹底通達されました。そしてついに「高校野球甲子園大会」において勇気ある審判員によるジャッジがなされました。その時のTV中継によって多くの野球ファンにも大きな衝撃を与えたのです。

 一度習得した技術を修正することは、容易ではありません。しかし、それが間違ったものならば、勇気をもって直しましょう。まして、草野球の真髄は、スポーツの本来の「楽しい」ものはずです。審判員は、予防できる危険なプレイを決して見逃してはいけないのです。

 その裁定には、冒頭に記載したように大変難しいものですが、当リーグの協力審判員が日々、自己研鑽し、選手が納得しえるジャッジとなるよう目指すことを追記いたします。

野球規則 7.06「付記」
 捕手はボールを持たないで、得点しようとしている走者の進路をふさぐ権利はない。塁線(ベースライン)は走者の走路であるから、捕手は、まさに送球を捕ろうとしているか送球が直接捕手に向ってきており、しかも充分近くにきていて、捕手がこれを受け止めるふさわしい位置をしめなければならなくなったときか、すでにボールを持っているときだけしか、塁線上に位置することができない。この規定に違反したとみられる捕手にたいしては、審判員は必ずオブストラクションを宣告しなければならない。


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