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パートナーとの信頼関係


高橋 秀男審判員

 つねに、野球審判の基本的メカニックスは、二人制にあると確信をもって周囲に話してきました。しかし、最初にメカニックスありきでは決してありません。

 何故なら大前提は、パートナーとの信頼関係に他ならないからです。人は感情の動物でもあります。お互いが信頼し合う気持ちがないところに、如何に高度な技術をもった審判員でも的確な動きでジャッジすることは不可能でありましょう。

 メンタルな部分でありますが、技術論の前にしっかりとその事を理解しあわなければ、「仏作って魂いれず」の諺そのものになります。

 是非、審判員心得(私は、野球規則書の「審判員に対する一般指示」をそのように思っています)を習得しながらもメカニックスの修練に励んでもらいたいと考えます。

 複数審判システムの入り口である「二人制」は、まず最低1人の仲間との信頼関係を築くところから始まります。そこには、先輩・後輩の関係や上下関係ではなく、また年齢・キャリアでの差別でもなく、お互いを尊重し合いながらまた補完しながらの行動が求められるのです。

 ボス的立場や経歴を振りかざし、パートナーを高所から見下ろす振る舞いがあっては決してなりません。ましてや、仲間を裏切るような行為は、断じてあってはならないことなのです。

 そのような処に、信頼関係は生まれませんし勿論、育ちなんかしません。

 私も宮使いを長くやり、会社ではそのノウハウを少し身につけました。「叱るときは1対1で、褒めるときは全員の前で」先輩から譲り受けてきたこの言葉・精神で、この審判協会で活動してゆく覚悟です。


(2007年2月15日)


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