「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ

UDC・4名審判員のアメリカ審判活動
帰国報告会を聞いて


小川審判員   

 10月9日、東京都中小企業振興公社(秋葉原庁舎)において平林岳氏、野中雅貴氏、井上公裕氏、濱野太郎氏の4氏審判員のアメリカ審判活動帰国報告会を聞いてまいりました。その4氏のお話を掻い摘んで紹介いたします。

 シーズン当初は地域によってはあまりに寒く、目だけ出せる「目出し帽子」を被って審判をするほど寒いなかでの試合がありました。

 逆に猛暑(34〜35度)のなかで試合をしていると汗がスラックスを通ってボールケース内のボールが汗で濡れてしまうのでボールケースの内側にガムテープなどを貼り付けるなどして対応することもある。

 日本ではとても考えられない気候条件、長距離移動のなかで審判をするため基礎体力を充分つけて臨むことも審判員の一つの条件としてあげられる。

 試合終了後すぐに次の球場へ長距離移動し仮眠をとり試合に臨む。これがきつい(移動距離200〜300キロ位、東京から広島ぐらい移動しなければならないときもある)。 

 2人制なのでシーズンを通し、日本にいる家族より(地元アメリカの)パートナーと行動をともにしている期間の方が長いので、時にはホームシックにもなる。食事は移動時にハンバーガーショップ、コンビニエンスストアー等を利用することが多い。

 日本プロ野球(セントラルリーグ9年在籍)を辞めて英会話を1年間勉強しアメリカの審判学校に入学(ジム・エヴァンスアンパイヤースクール)し、1回目は要請がなかったが、2回目のトライで合格し今年シーズンを無事終了し帰国しました。

 今年シーズンの経験から、球審でスタンス(ヒール、トー、ヒール)のときにほんの少しだが、右打者では左、左打者では右肩がわずかに前に出ている時はアウトコースの判定が一定しないことを経験した基本がいかに大切かを実感した(両肩が平行になることで判定が一定する)。

 アメリカで審判員として活躍するにはいかに大変で厳しいか、良くわかりました。自分が今おかれている現在のアマチュア審判活動でもプロの審判が言っているように「基本を習得すること」の大切さを目標に頑張りたいです。



古井審判員   

 わたし自信、審判に興味を持ち、審判に携わって今年で30年になりますが、特に目的・意識的に審判をやっておりませんでした。

「審判とは」を真剣に考えるようになったのは、UDCその他の審判講習会に参加してからでした。

 プロの審判の指導を受けまして、今までの審判を根っこから覆すものでした。その影響で現在の意識向上に役立っていると思います。これからも絶やすことなく意識向上に努めます。

 今回の「UDC・4名の審判員のアメリカ審判活動帰国報告会」を聞きまして、4氏が輝いて見え、わたし自身とっても得るものが多かったです。

 率直な感想を箇条書きに書いてみました。
(1)おもったより参加者が少ないのですこしばかり落胆しました。

(2)マイナー審判員といえども、わが国では考えられない過酷な自然条件や移動距離には驚かされました。

(3)先の保障もない、結果が全ての真剣勝負のプロの厳しさが身近に知ることができました。

(4)桑田選手の審判員との接触事故は、さぞや審判員に批判があると思っていましたが、特に注目するほどの事ではないと聞いて、野球に対する見解の相違を感じました。



新田審判員   

 審判員の移動距離の大変さにはビックリしました。同時に、休みがないスケジュールには大変に驚きました。

 4氏のお話を聞き、2人制の難しさ、クルーとのコミュニケーションがとても大切だと思いました。

 また、体力がとてもいる仕事です。若い人にしかできないと思いました。言葉のギャップや習慣の違いなど苦労が多いと思いました。また、マイナー・メジャー審判員の給料がどのくらいなのか興味がありました。

 すべての面でマイナーとメジャーでは違うことが改めて分りました。4氏がメジャーの審判員になれることを応援したいと思います。

 私たちも2人制をマスターして、1年の半分はパートナーと一緒にゲーム出来る日を楽しみにしています。1人制審判は孤独です。


(2007年11月1日)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ