臼井審判員
東京ドームに4万3千人の大歓声が響き渡ります。私はレフトの「線審」に立っています。
7月14日に行なわれました「サントリー・ザ・プレミアム・モルツ・ドリームマッチ2008」山本浩二監督率いる「ザ・プレミアム・モルツ球団」対する東尾修監督率いる「甲子園ヒーローズ+WP」。両チーム50名以上の現役引退のスタープレーヤーの対決であります。
試合前のセレモニー
東京ドームでは何回も審判に行っていますが、観客は43人〜430人ぐらいです。0人の時もありました。
今回のように4万3千人の大観衆の前で審判ができるとは夢のようです。それも一度もやったことがない「線審」です。こんな幸運なことはありません。
レフト線審の著者
元プロと同じ掲示板に名前が載りました
4万3千人の大観衆のグランドに立ちますと、どんな精神状態になるか以前から興味がありました。まず感じたのはものすごい「プレッシャー」でした。
大歓声と時折行なわれます「ウェーブ」には、谷底のようなグランドにいる私の身体に「ストレスの針」が突き刺さる感じを受けました。これは空がないドーム球場の独特の現象ではないでしょうか。
イニングの合間に身体を隠すように横のラバーに身体を付けることにより、ほっと息をつきました。
とくにレフトの「線審」はフェー地域とファール地域が極端に狭いので、ボールが飛んで来た場合に避けなければいけません。次にクッションボールなど選手の邪魔にならないよう動かなければいけません。
打ち合わせでは3塁塁審より後方のフェー・ファールの判定もするのです。今回はライト方向への打球が多く、私の所には5本しかきませんでした。残念ながらホームランのコールはできませんでした。
試合のほうは1点を争う好ゲームで3―3の同点から延長戦へと入りました。イベントゲームとはいえミスは許されません。10回のイニングは少し足が震えてきました。
延長10回、元木選手のセンターへの犠牲フライで試合が終わった時には、ホッとしたというよりは、何事もなく無事に終わって「よかったー」と思いました。
4万3千人大観衆の前で審判
このように試合を連日のように裁いています「プロの審判員」の精神状態を今回は垣間見ることができました。それもお互いに「生活」がかかった真剣勝負の試合は大変です。
谷底のような所で、プロの審判員が四法八方から観衆の「ヤジ」「罵声」を浴びましたらたまったものでは有りません。ストレスに強くないとプロの審判は勤まらないとつくづく感じました。
連日の猛暑の中での私たちアマチャー&草野球審判も「好きでない」とできません。けれど汗をかいたあとのサントリー・モルツの美味しいこと。このことだけに「審判」をやっています。
あぁ。サントリー・モルツの宣伝をやり過ぎてしまいました。
http://www.suntory.co.jp/culture-sports/dreammatch/
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