「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ

厳冬の審判講習会に参加して


D・K審判員


 2月4日(土)と5日(日)の2日間、審判講習会に参加をした。

 東綾瀬公園野球場のA面とB面の2つのグラウンドを使用して行われた、公益財団法人・東京都軟式野球連盟主催による「平成24年度・審判技術講習会」で、参加者は東京23区及び都下全域の軟式野球連盟に所属する支部からの参加者は240名。(1支部5名)


画像


 今回の講習会に参加する資格のある審判員は、東京都軟式野球連盟の各支部に在籍し、登録された審判員であることが絶対の条件であったが、私は今回埼玉県から参加をさせていただくことになったが、都内に住む知人の野球関係者(特に名を秘す)の特別の計らいにより、通常では絶対に参加をすることはできないのであるが、裏口入学という形で、こっそりと受講をさせていただくことができた。

 10数年前までは、居住地の埼玉県軟式野球連盟が主催する講習会には、必ず参加をしていたのであるが、審判員としての定年を迎え、埼玉県軟連と縁が切れてからは、資格を必要とする正式な講習会には、関東のどの地域からも一度も参加はしていなかったので、軟連への講習会の参加は、実に13年ぶりということになった。

 地元埼玉県での審判活動を辞してからは、活動拠点を埼玉県と東京都に移し、シーズン開始に先駆けて行われる審判講習会には、元プロ野球の審判員を務めていた方に講師として依頼し、数団体の審判クラブ所属の審判員を対象に、講習会が行われるということが一般化し、軟連組織の講習会とは違う形で、毎年参加して来たものである。

 今回の講習会は、2月に入ったばかりという時期でもあり、身体の方は冬眠状態から脱していなかったが、とにもかくにも厳寒期における2日間の講習会を、青息吐息の状態ながら体験することになった。

 昨年秋のシーズン中に、左足のヒザを痛めていたこともあり、事前のトレーニングなしでの2日間の講習会は、70歳を超えた老審判員にとってはチョイとハード過ぎて、講習会2日目の後半になると、足は動かず息は上がりっ放しの状態で、ダウン寸前の態で仮死に近い状態だったと云えばチョイとオーバーな表現になるであろうか。

 21歳前後の若者も3名ほど参加していたが、この若者達との50歳の年の差は如何ともし難く、時の流れとともに惨めさもチョッピリ感じた講習会でもあった。

 講習会2日目の午後の時間帯になると、講習終了の時間ばかりが気になり、公園内の高い塔に設置してある時計の針の動きが遅く感じられたが、講習会に参加した仲間達も同じような仕草をしていたので、自分と同じ気持ちなのだなと直感した。

 240名の受講生に対しての指導員は、全日本軟式野球連盟の技術指導員数名と、東京都軟式野球連盟の技術指導員10数名、それに技術指導顧問の方も含めて総勢20名以上となり、受講生を1班から8班に分けた効率のよい指導法で、2日間にわたり講習は行われた。(講習会は、3人制と4人制で行われた)

 講習初日の4日(土)は、午前9時から開講式が行われ、昼食を挟んで午後1時から午後3時まで、審判技術に関する一連の講習が行われた。

 午後3時30分からは、場所を東綾瀬中学校の体育館に移動して座学を行い、その後は約1時間の懇親会が行われ、体育館を後にしたのは午後5時40分であった。

 足立区から我が家へ帰って、明朝の6時30分に再び出かけてくるのは億劫だということで、数日前に慣れないネットを検索して、綾瀬駅から上野方面へ2駅目の南千住駅近くのホテルを確保していたので、疲れた足を引きずりながら予約済みのホテルへ到着。

 フロントでカギを渡され、部屋に入って驚いた。

 3畳一間しかない窮屈そうな部屋で、布団1組を敷くと隙間は無くなり、部屋の中も歩けないほどのスペースの無さであった。

 風呂もトイレも洗面所もすべて共同というホテルであったが、宿泊代が3200円という安さからしては、文句も言えない状況だとは思われるが、東京という大都会のホテルで、辛くて悲しくて眠れない、一夜の貴重な体験をさせていただきました。

 今後、このようなホテルとは名ばかりの安ヤドには、まかり間違っても二度と泊まることはしないと心に誓いながら、あくる日の早朝に宿を後にした。


画像


 講習2日目は東綾瀬公園グラウンドの2面(A面・B面)を使用して行われたが、1日目の講習とは違って2つのグラウンドに4班ずつ2組が編成され、足立区内の2つの高校野球の軟式チームの協力により、ノック形式で時間を惜しむように、本塁・一塁・二塁・三塁へと順次移動し、ランナー無し、ランナー一塁、ランナー一・三塁等と、条件を変えながら実戦さながらの厳しい指導講習が行われた。

 B面のグラウンドは、三塁の守備位置からレフトポール際までのラインの内外のグラウンド上に、1週間ほど前に降った雪の塊が残っており、泥んこを越えて土がシャーベット状態で、3人制で三塁の位置に立った審判員はスタート時に、滑って転んで泥まみれという犠牲者が10人近く出ていたが、野球の試合であれば間違いなく中止となっていたことと思われる。

 このようにして東京都軟式野球連盟主催による「平成24年度審判技術講習会」は無事に終了した。

 自身にとって、今後どの地区における軟連主催の講習会であっても、2度と受講の機会はないと思われるので、人生最後の貴重な講習会であったと、心に留めておきたいと思う。


(2012年2月15日)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ