「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ

メジャーリーグ観戦と
アンパイアースキル研鑽の旅−Play ball
(5)


#47 Ump.


 6月18日、早朝6時過ぎにホテルを発ちJackson駅からCTA に乗りシカゴ/オヘア空港へ向かう。

1908年以来、103年間もワールドシリーズ優勝から遠ざかっているシカゴカブスを憂いながら・・・。


CTA車内の行き先案内ボード。JacksonからO’Hareまではおおよそ1時間

 何せDETタイガースと戦った1945年以来、ワールドシリーズ進出への道が閉ざされているのですから・・・。

でも惜しいことも有りましたヨ。2003年にNational LeagueのWS進出を賭けたFLAマーリンズとのリーグ・チャンピオンシップの第5戦まで3勝2敗とリードし、あと一勝でチャンピオンになれるところまでいったんです・・・。

しかし、WSシリーズ進出をカブスが逃したといわれる(そう語り継がれている)その悪夢が第6戦の8回に起きたんですヨ。

なにせ、カブスは8回表一死まで3-0でリードし、WS出場まであとアウト5個に迫っていたんです。

マーリンズの攻撃は一死・走者二塁、打者Luis Castilloの打球は三塁後方レフトスタンド際のファウルテリトリー付近へ上がった。

カブスの左翼手Moises Alouは懸命のジャンプ一番。捕った・・・?かに見えたがカブスファンのInterferenceで惜しくも確捕出来ずファウルになっちゃったんですネ。

この事が響いたか?続く最終7戦にも勝利から見放され待望のWSへの道が断たれちゃったんですネ。


左翼手アルーは懸命のジャンプ及ばず確保出来ずファウルに。このプレーが災いしたかどうかは分らないが、この回に大量8点を取られ、そのまま8-3 で逆転負。これもみんな「山羊の呪い」のせいでしょうか?

この時のカブスにはKenny Lofton、Sammy Sosa、Mark Prior等がいましたヨ。

ついでに、この時のアンパイアーは球審Mike Reilly、1塁Jerry Crawford、2塁Chuck Meriwether、3塁Fieldin Culbreth、LL Mike Everett、RF Larry Poncinoの6審で行われました。

 ちなみにこの年はマーリンズがNYヤンキースを下して 初のワールド・チャンピオンになりましたネ。
優勝を決めた瞬間のマーリンズ捕手パッジの歓喜した顔が忘れられませ〜ん。

 さて、話をニューヨークに戻しましょう・・・。

ラガーディア空港から市内まではNYC Airporter(リムジンバス) で行くことにした。


空港を出るとNYC Airporterの乗り場がある。ここで係員から$15.75で乗車チケットを買う。バスの行き先は45丁目の「Grand Central」

 さすがニューヨークのど真ん中。車、人ひとでごった返し・・・。そして暑いときた。


リムジンバスの終点、グランドセントラル駅。この地下には海鮮料理で有名な「Oyster Bar」がある。我が国にも東京、恵比寿等に店を構えているのでその味を愉しむことができる。後方にはクライスラービルが見えています

 ニューヨークで2泊する宿泊先はグランドセントラルから45丁目を西に行き、Broadwayを右に曲がりNew York Police Department(ニューヨーク市警)の先を左折した左手にあるCarter Hotel。

大都会ニューヨークの真ん中に位置するこのホテルは立地に反してリーズナブルで有名。
一昔前には、料金は安いが設備や衛生面で不備な点が多い事で有名だったが、現在内部はきれいになったし、衛生面も大分改善されたらしい(ここを定宿にしている日本人ビジネスマンに聞いた話。彼は日本酒をアメリカに売り込みに来ているという)


Times Squareの光景。NYPDの先を左折すると左側に見えてくるのが我がホテルのカーター。
ここからは何処へ行くにも非常に便利なところ。また、ホテルの1階にはコンビニがあり、夜中まで営業しているので小腹が減った時などは便利だ

 ホテルで次の訪問地Bostonまで同道する山口出身の友人と落ち合う事になっている。
その友人は既にホテルに着いており、フロントで無事に落ち合うことが出来た。

 「なんだって??予約がされてない??」

3人分のチェックインをしようとフロントに行ったら、なんと「今日、明日の予約がされていません」と言うではありませんか・・・。「もう一度確かめてくれ!」と血相を変えて?問い糺す筆者。

けれど帰ってきた返事は「やはり、予約されてませんネ」の一言。

 さァ~、どうする今夜の宿泊は・・・?それも今晩だけでなく明日もである。


カーター・ホテルはこの通り沿いの左手にある

困った・・・。この期に及んでホテルを探す時間も暇もないし、何処にどんなホテルがあるかも分らない!!

ところが、いたんだネ。私たちを救ってくれた神様が・・・。

 「Sir、トゥー・ベッドで1部屋ならご希望の二日間を用意出来ますが、いかがですか?」
「料金は二日間で$150です。片方のベッドをお二人で使用し、一方のベッドはお一方が利用するという事で了解して戴ければの話ですが・・・」とフロント嬢の有難い提案。

「Really, Thank you very much for your kindness. 」一も二にもなくYesの返事をしたのは言うまでもない。よかったァ、これで一安心。
(帰国しての後日談:旅行社の手違いで予約を忘れたらしい。カードで支払った宿泊代は現金で戻ってきた)


45丁目付近の光景とNew York Police Department(NY市警)

無事、部屋を確保したら急に腹が減ってきた。ニューヨークでは「Carmineに行くぞ」と決めてあったので早速行ってみた。ここニューヨークでは比較的うまいイタリアンレストランである。


エビ、ムール貝等がふんだんに入ったトマト味のパスタ($24)

チンゲン菜の温サラダ。

それにパンが添えられていた。ビールが美味かった

 イタリアンを存分(?)に味わい、腹も満足になった。
さァ~、これからEmpire State Buildingの102階Sky deck(展望台)に行こう!
ここからの摩天楼展望は最高だ!


見上げてごらん!星条旗がはためくエンパイアー・ステートビルの上層部

北方を望むとCentral Parkを挟んで左がUpper Westside、右がUpper Eastside

一方、南に眼を転じればLower Manhattan、エリス島そしてStatue of Liberty(自由の女神像)が見渡せる。World Trade Centerの跡地には新しいビルが建設中

East Riverに架かるBrooklyn Bridge

Yankee Stadiumは警備がことのほか厳重だ。持っていくカバンやバッグは極力小さい方がよい。
何故って、入場する時に手荷物検査で引っ掛かると「手荷物預所に置いて行け」と言われ、試合終了後、取りに行くのが結構面倒くさいものですヨ。


地下鉄Green Lineの4番に乗って「161St&TheYankee Stadium」で下車。スタジアムはすぐ目の前。線路下の両側にはスーベニーショップが立ち並ぶ。時により自分好みの大きな掘り出し物があるかもしれないゾ。同じ物を買うなら球場内の売店で買う方が安い

今夜の試合はインターリーグのATLブレーブズ戦。ヤンキースはC.C.Sabathiaを、一方のブレーブズはMike Minorを先発にたて試合が進んだ。


球場内のチームストアーのユニフォーム売り場。ジータが一番!

帽子売り場日は様々な帽子が並んでいる。どれが良いか迷ってしまうヨ

 試合は初回、ブレーブズの攻撃。一番Michael Burnが左・中翼間三塁打で出塁。二番Martin Pradoのショートゴロの間にボーンが生還し一点を先取。さらに五回には先頭の七番打者Jayson Heyward等の安打を足がかりに八番Andrelton Simmonsの二塁方向に転がったゴロをサバシアが捌く間に一点を追加し、試合の主導権を握ったかにみえた。

今夜の試合の観戦チケット。この席で$100ですから高いと思いませんか?
次の写真は座席からみたヤンキーススタジアムの遠景です

今夜の座席から見たヤンキースタジアムはこんなふう。ヤンキースの先発サバシアが投球している様が見えます

直後の五回裏、ヤンキースは先頭の四番Alex Rodriguezが中翼気前安打、Robinson Canoの時Wild PitchでA.ロッドは二塁へ。カノーは四球で走者一・二塁。Russell Martin、Derek Jeterの安打で三点を返し試合をひっくり返した

そして6回には先頭のMark Teixeiraが左翼越え12号ソロ本塁打で一点、七回にはスチュワートが左翼前二塁打で出ると、ジータが中翼前の安打でスチュワートが生還。そして八回には一死後、カノーの中翼越え13号ソロが飛び出し小刻みに加点したヤンキースが6‐2で勝った。


ヤンキースタジアムのプレミアム・スーベニービール。ライトビールだが美味い!

この試合ヤンキースのサバシァは九回116球を投げ被安打7、四球1、自責点2、三振10で完投勝利を飾り、これまでの通算成績を9勝3敗とした。

 今夜のアンパイアークルーは球審Manny Gonzalez、一塁Greg Gibson、二塁Gerry Davisそして三塁がPhil Cuzziの四氏。


打席にデレク・ジータを迎えSetするマニー・ゴンザレス。インサイドぎりぎりのスロットを取っています


走者二塁。球審ゴンザレスのリラックス姿に注目。両手を膝においてリラックスしています。
それと、二塁塁審のゲリー・デービスの内野内の位置取りにも注目

球審のマニー・ゴンザレスは一昨年の5月にメジャーデビューし11試合を、そして翌年の2011年には42試合を担当した新進気鋭のコールアップ・アンパイアーなんですヨ。


一塁審のグレッグ・ギブソンのホース判定の位置取りに留意してください。
通常の位置より鋭角に切れ込み捕球面を確認しています

 試合終了後に聞いた今宵の曲は、もちろんFrank Sinatraが歌う「New York New York」だったのは言うまでもないこと。何時聞いても良い曲だ。何せ入ニューヨークは「眠らない都市、不夜城」なんて言い回しはそのものであると筆者は思うのである。我が東京もニューヨークと同じ「不夜城」である事は間違いないと思うんだが・・・。


0-4で迎えた7回の裏、走者一塁でヤンキースの攻撃。球審はボックスで構え、二塁塁審はショート寄りに構えています

 翌19日(火)は昨日と反対方向(ヤンキースタジアムはニューヨークのBronxにある)のQueensにあるCiti FieldでNYメッツ対BALオリオールズ戦のナイトゲームだ。

 ニューヨークへ来て一番にしたいこと・・・、それは「Circle Line Full Island 3 Hors Cruise」に乗ること。


Pier83のCircle Lineのチケット売り場

船に揺られ、風にそよぎ、息吹の心地よさ、そしてゆったりとした時間を過ごせるこのクルーズが気に入っている。

たった3時間のクルージングだがEllis Island、Statue of LibertyそしてLower ManhattanからEast Riverを北上Brooklyn Bridge、Chrysler Building、United Nations Buildingを垣間見、Harlem Riverに入ってYankee Stadium、C-rockを廻りWashington Bridgeが架かるハドソン川から再びPier83に還ってくる。


さァ~、出帆だ。ビルの間には42nd Streetと左手にEmpire State Buildingが見えます

さァ〜、しばしマンハッタン・クルージングに出てみよう。乗船料$38は必要ないですヨ!


このクルージングのハイライトの一つロワー・マンハッタンの遠景

ヨーロッパからの移民はこのエリス島で入国審査を受けたんです

Statue of Liberty (自由の女神像)アメリカ独立100周年を記念して1886年に完成した

アメリカで一番古い吊り橋で、世界初の鋼鉄のワイアーを使用したBrooklyn Bridge

Chrysler BuildingとUnited Nations Building を望む

Harlem Riverから2009年に開場したヤンキースタジアムを見る

マンハッタン島の北部、C-Rock。Columbia Universityはこの岩の上に建っている

マンハッタンとニュージャージー州を結ぶWashington Bridge 。全長1076m。
野球殿堂のあるクーパーズ・タウンからの帰途にこの橋を渡りミッド・タウンに戻ってくる

昼過ぎにクルージングを終え、昼食は中華街で・・・。その中華街まで歩いて行くことにした。

途中、Sohoを通りWashington Square付き抜け中華街を目指すが、どうも道を間違えたらしい??
仕方なく、タクシーを拾う。ナァ〜んだ??「中華街ってLittle Italyに隣接しているんだ」と初めて認識。


中華街の町並み。ここニューヨークでも中国独特の匂いがした

 中華街への道を間違えたのと遅い昼食で時間も大分過ぎ、今夜のゲーを観に行く頃合になってしまったので一旦ホテルへ帰ることにした。

 さァ〜、Citi Fieldへ行こう!
42丁目からMTA#7に乗り、大よそ40分でシティ・フィールド下車駅のWillets Pointに着いた。
駅の直ぐ目の前にシティ・フィールドはあるんだヨ。今回は開場した2009年以来二度目の訪問。


シティ・フィールドの正面入口を入りエレベーターに乗ると右手に見えてくるのが黒人初の大リーガーJackie RobinsonとBranch Rickeyの写真の画像。リッキーは球団経営者でもあり1900年代初頭の大リーガーでもあった。黒人の大リーガー誕生に尽力し、その第一号に選んだのはジャーッキー・ロビンソンであった

今夜の試合はNew York Mets 対Baltimore Orioles戦。


Home Plate Meeting。オリックス・バファローズの元監督だったTerry Collinsメッツ監督も写っています

 メッツは4回にDavid Wright、Lucas Davisのヒットで一点を取り、6回にJordany Valdespinを一塁に置いてLucas Dudaの11号2ラン本塁打。そして七回にもOmar Quintanilla、Josh Thole、ヴァルデスピンの安打で二点を追加。オリオールズはメッツの四投手に試合をさせてもらえず散発4安打、5三振を奪われ0-8で完封負けを喫した。この日先発したサンタナは5勝目(3敗)を上げた。


シティ・フィールドの試合模様

好投するJohan Santana投手。6回を投げオリオールズ打線を散発4安打、四球2、三振5を奪い五勝目(三敗)を挙げた。一塁塁審のTim TimmonsはGet Setし、投球を注視しています

 今夜の入場前にサンタナが6月1日にSaint Louis Cardinals戦で達成した無安打無得点試合を記念してJohan Santana No Hitter T-Shirtsが配られていたっけ・・・。 何でもメッツ球団創設50年目、8020試合目に達成した球団初の快挙らしいですヨ。


今夜配られたサンタナが達成した無安打無失点試合の記念Tシャツの前身のプリント

球団創設50周年記念のスーベニー・ビール

 この試合のクルーは球審Marty Foster、一塁Tim Timmons、二塁Jeff Kellogg、三塁Eric Cooper。
この四氏はダラスでのレンジャースとダイヤモンド・バックス戦そしてブリューワーズ戦をさばいたクルーQだ。


球審Marty Fosterのセット

サンタナ投手は一塁けん制。一塁走者はつり出されPick off Playの始まりだ。一塁Tim Timmons、二塁Jeff Kelloggはボールを注視していますネ

この日は観衆32,587人、試合時間2時間29分の試合でした。

 今日はニューヨーク最後の夜だ。Good night and say good bye New York that love it.
そして、今回の観戦紀行もいよいよ後半に入って行く。

次回はBostonと球場開場100周年目を迎えたFenway Parkからお伝えします。

 

To be continue.(続く)


(2012/10/15)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ