捕手でマスクを審判の身体に投げつれる「癖」のある人がおります。問題はここでの審判員の「注意」の仕方です。
頭ごなしに「審判にマスクを投げつけるな! 危険だろう」と言って捕手と「言い合い」している審判員をよく見かけます。
捕手にも「言い分」があるのです。
私はこういう場面に遭遇しますと、まずボール・捕手も追わず、マスクをキャッチすることに専念します。審判にマスクを投げつける捕手にはキャッチャーフライは捕れません。そして「ほら、マスクをキャッチしたよ」この一言で、だいたいの捕手は「すいません。痛くなかったですか」と謝ってきます。
「球審と捕手」は信頼関係がないといけません。特にストライクの入らない投手をリードする捕手は「重労働」です。せめて球審と「仲良く」なり、何とかストライクを取ってもらいたいと思っています。球審も実は捕手とまったく同じ「心境」なのです。ここでは二人が「仲良く」することが試合をスムーズに楽しくするのです。
先日の試合で、ベンチから「ボールをよく見ていけ」という「声」が、何度も発せられました。私はポツリと捕手に「ボールは打つものだよなー」と。それも両チームの捕手に言いました。
それからの試合の動向は、とんとんと点が入り、試合もテンポもよく進みました。「ボールをよく見ていけ」という声は、「初球から打て!」に変わりました。
「私は、1級審判員だ。公正・正確・平等に審判をやるのだ。文句あっか」
「前の審判員はストライクを取ってくれたのに?」
分かります。分かります。お二人の言い分はよーく分かります。何しろ「真剣勝負」をやっているのですから。
捕手はゲームをコントロールする「要」です。それも審判員と「協同」する気持ちがないといけません。もちろんそれは審判員にも当てあまることです。
球審は両チームの捕手とは2時間近く「お付き合い」をするのです。捕手の背番号を覚えておき、ヒットを打ちましたら「ナイス、バッティング」と誉めてあげましょう。
それも度がすぎるといけません。昔、10対0と一方的な試合で、リードしている捕手がスライデングして怪我をしました。私は「そんなに無理することないのに」と言ってしまいました。捕手の方は血相を変えて「野球やってんだ。そんな言い方ないだろう」と怒りをあらわにしました。
私も、しまった! と思い「うん。悪かった失言でした」と謝りました。
この捕手とは、その後とても仲良くなり、試合が勝っても、負けても、「軽口」を言い合える「仲」になりました。
私は、審判も大好きですが、「選手」がもっと大好きです。
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