審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【15】珍・チン物語
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 先日、ファールチップしたボールが私のマスクに挟まりました。軟式ではよくあることです。それでも、今までの審判活動の中では5回ぐらいしかありません。なぜ5回なのか。それは誤解のないように「5回」と答えておきます。
 
 一瞬、ボールが消えるので選手の皆さんは「あれっ?」という感じになります。マスクに挟まったボールは簡単に取れません。膝にマスクを挟んでボールを引き抜くのです。こんな私の「しぐさ」を見て、両チームに緊張感がほぐれます。私はなるべく「簡単には取れませんよ」と時間をかけます。なにしろ4、5年に1回あるかないかの珍しい出来事なのです。

 珍しい出来事といえば、ボールが私のお腹に入りました。それも審判服の「胸」の上からではなく、お腹の横からです。不思議なことに全く痛くありません。よーく解明しましたら「袖」からボールが入ってお腹に回ったのではないでしょうか。それ以外は理解できません。

 球審はボールがミットに入るまで、頭を動かさず、眼だけでボールを追います。特に下半身がしっかりしていませんと頭を動かしてしまいます。選手がボールを「早く眼切る」状態と同じです。
 昔、むかし、痛い目に合いました。ボールと判断して頭を動かしたものですから、その打ったボールが、なんと私の後頭部に当たりました。おそらく前代未聞のことだと思います。全選手から笑われました。

 何といっても「怖い」のは、一度もバッドを振ったことがない人が打席に立つことです。「なぜ、一度も…と分かるのですか?」。それは永年の審判の「感」です。

 まず、バットが飛んできます。捕手に当たる確率は7割。審判は3割です。とくに審判の3割が恐ろしいのです。私の知っている審判の方は「頭直撃」を受けました。幸い当たった場所がよかったので大事に至りませんでした。

 もう少し分析してみますと、捕手へ飛んでくるバットは、一端地上に触れています。審判へ飛んでくるバッドは、空中から「気流」に乗って勢いよく飛んできます。とても危険なのです。

 次に、インコースのボールを、身体を思い切り開き打ちにいきます。このファールボールの100パーセント審判に当たります。前・横には120パーセントボールは飛びません。
 このボールが「チン」に当たったことがあります。まともに当たりますと「チン防御」をしていましても、それは、それは痛くて、頭も痛くなるのです。ある審判の方は、試合が終わり「横歩き」で帰宅したそうです。捕手の経験のある方はよーく分かっていると思います。

 あぁー。今回は時間がないので、なんとつまらないことを書いてしまったのか。


 (2004年8月1日)


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