そもそも「野球マナー」とは何のことなのでしょうか。実は「野球」が頭につくからややこしくなるのです。「マナー」だけでいいのです。
私たちが野球を始める前段階として、まずはグランド取得からはじまります。それから相手チームに打診をいたします。逆に相手チームから打診される場合もあります。
ここで第一歩の「マナー」がはじまります。メールの書き方にも「マナー」があります。電話のかけ方にもマナーがあります。ここで上手くことが運びませんと、まとまる試合もまとまりません。試合を組むということは「事業」だと考えてください。20人以上の人が同じところに集まるのです。「事業」には大変なエネルギーを消耗します。いろいろな人の協力が必要です。一人の力では限界があると思います。
さて、いよいよ試合当日です。いわゆる「ご対面」です。ここでのマナーはグランド取得したチームに「挨拶」して、費用、その他を清算するのがマナーです。
審判の眼から見ていますと、これに意外と時間をかけています。試合開始5分前でやっと挨拶しているチームを見かけます。時々見るに見かねて審判員が仲介に入ることもあります。
本来ならば上記のことは、町・市・区の主催大会ならばやる必要がないのです。インターネットを通じて自主的におこなっているリーグ戦・大会にはこれが欠かせません。
いよいよグランド入場となりますが、実はここからが面倒なマナーが必要なのです。私たちは2時間単位で普通グランドを借りております。2時間一杯に使ってしまいますと次のチームには迷惑をかけてしまいますので、通常は10分前に試合を終え、5分で整備をして退場します。
これがスムーズに行くチームはマナーがいいです。が、意外とぐずぐずして次のチームに迷惑をかけています。
私はギリギリまで使用した場合は、まずはベンチを空けて、それからグランド整備をするよう指示します。
試合が始まりますと結構「熱く」なる人がいます。また、なんでもない「ヤジ」を気にして「審判さん。注意してください」と言ってきます繊細な人もいます。
ここでの「マナー」は相手の立場に立って「行動」することです。「すいません」「大丈夫ですか」の一言が、「楽しい野球」になってきます。「さしのべる手、受けとめる心」がどんなスポーツのマナーにも共通していると思います。
「勝負にこだわる」ことは「マナーにこだわる」ことと同じだと私は思います。いろいろなチームの審判をやってきましたが、やはり「マナー」がいいチームは強くなっていきます。
初めは「へたくそ」なチームでも、マナーがしっかりしているチームは、2、3年後に「大変身」するチームを見てまいりました。
マナーの悪いチームには、いい人材が集まらない。「仲良しクラブ」のチームになり、消滅していきます。
「野球マナー」とは、野球をやろうという出発からはじまります。これが上手にできないチームの多いいのには時々驚かされます。
マナーは挨拶で始まり、挨拶で終わります。
「負けて悔しいけど、このチームともう一度対戦したい」と対戦相手に思わせるチームはマナーがいいのです。と、同時に「対戦したい」と思うチームもマナーがいいのです。
マナーは「常識」です。とても難しい「常識」なのです。
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