審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【24】 公認野球規則 1・01
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 公認野球規則 1・01「野球は、囲いのある競技場で、監督が指揮する9人のプレヤーから成る二つのチームの間で、一人ないし数人の審判員のもとに、本規則にしたがって行なわれる競技である」と明記してあります。

 この1・01だけでも4項目が書かれています。(1)囲いのある競技場(2)監督が指揮する9人のプレヤー(3)一人ないし数人の審判員(4)本規則にしたがって行なわれる競技である。

 ここで一番問題になるのは、囲いのないグランドで、規則にしたがって行なうことです。まず「特別グランド・ルール」を作らなければ成りません。
 
 河川敷グラントではA面とB面では「特別グランド・ルール」が違ってきます。私の場合は、囲いのあるグランドを想定して作ります。想定して作りますのであまり細部に渡って「白線」などは引きません。整列した時にきちんと「説明」することにしています。

 当事者審判員に聞いた話ですが、二人制審判の某大会で審判員が細部に渡って「白線」を引いたため、ファールフライをデットゾーンでキャッチしたが、白線から足が半歩「出た、出ない」でもめにもめてその結果が放棄試合になってしまったそうです。
 デッドゾーンの「白線」はあくまで「目安」であることをチームに説明をせず厳格に「特別グランド・ルール」を適用してしまったのです。

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 選手もそうですが、審判員も囲いのあるグランドの方がやりやすいのです。それは「タイム・ボールデット」とコールするのが「囲いのあるグランド」は少ないからです。

 チームのレベルによって違いますが、「囲いのないグランド」では「タイム・ボールデット」のコールがあまりにも多いと、審判員の「集中力」が欠けてきます。このようなグランドでは試合中はなるべく審判員に余計な神経を使わせないでください。

「囲いのないグランド」でAチームとBチーム対戦しました。次に同カードで「公式グランド」対戦しました。

 こんな結果がでました。「囲いのないグランド」では両チームでエラーが16。ファインプレーなし。「公式グランド」ではエラーは合計8。ファインプレーがなんと4つも出ました。

「公式グランド」では思い切ったプレーができるからエラーも少なく、ファインプレーも多くなります。参考までにスコアーは4対3でした。「囲いのないグランド」のスコアーは12対10でした。

「公式グランド」で試合を行なえば野球のレベルは上がると思います。本来野球は「囲いのあるグランド」でやるものなのです。そうは申しましても現実にはなかなか「公式グランド」は借りられません。ここが辛いところです。

 11月に「公式グランド」でリトルリーグ・チームの練習紅白戦を見学いたしました。なんとユニークなルールを採用しておりました。1アウト。1ストライク−1ボールからのプレー開始です。打者は打つしかありません。投手は「ボール」を投げられません。ゲームが攻守にわたって活気が出て、内容の濃い練習紅白戦でした。1時間で10イニングを行なっておりました。

 各チーム来春の開幕に向けていろいろトレーニングをすると思います。「囲いのないグランド」での練習は短い時間で集中し、緊張感を持ってやることをお勧めいたします。その理由は囲いのないグランドはどうしても散漫になるからです。 

公認野球規則 1・01「野球は、囲いのある競技場で、監督が指揮する9人のプレヤーから成る二つのチームの間で、一人ないし数人の審判員のもとに、本規則にしたがって行なわれる競技である」。


(2006年1月1日)


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