審判員の 背中 背中画像
□□ 臼井淳一審判員 □□


【25】 攻撃側審判とは
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 ある審判員が「攻撃側審判とはどういう意味。野球規則書に載っているの?」と真面目な顔で聞いてきました。

 われわれ草野球関係者は「攻撃側審判」という用語は当たり前のように使っています。正確な意味は「攻撃側から審判員を出し、球審・塁審がイニングごとに入れ替わる」ということです。それも9人対9人の試合は「選手兼任」がほとんどです。また塁審なしの「一人球審・審判」です。

 試合内容は練習試合が多いですが、私設リーグ戦などでも取り入れられています。選手兼任・交代制ですので、審判をやるのは一人1イニングか2イニングです。点数が10点も20点も入りますと審判の回数が増えてきます。

「攻撃側審判」の特徴は、揉め事や不満がその場では少ないということです。レベルによって違いますが「わきあいあい」と試合が進行しております。時には味方同士で「エッ?ストライクおかしいよ」と見逃し三振に不満の声を上げています。

「攻撃側審判」を奨励するわけではありませんが、2、3アドバイスをします。

 マスクは絶対にしてください。よくマスクをしないで、それもメガネをかけて球審をやっておりますが、危険を通り越して「自殺行為」です。

 ファールチップのボールが顔に当たる確立はそれほど多くはありません。それ以外では例えば、速いボールを捕手が捕らない、または捕れないで球審の顔に当たる場合があります。この場合の衝撃度は意外と大きいです。それは無防衛の状態で顔に当たるからです。マスクをしていても一瞬何事が起こったのか分からなくなる時があります。

「マスクをしない顔」にボールが当たるということは「死」を意味することだと考えてください。

 球審の構えですが、よく見かけるのは「斜めに構え」ています。これは正解だと思います。なぜかと言いますと皆さんの球審は、ほとんどプロテクターをしていません。首から下は無防衛です。ボールの当たる身体の面積を少なくするためには、「斜めに構え」の方がいいと思います。もちろん正式な審判の構えではありません。

 特に「新型ボール」は当たると「痛い」を通りこして「危険」です。生身の身体をさらけ出すことは、ボールがどこに当たるか分からないのです。胸に当たれば肋骨が折れるかもしれません。股間に当たれば「ビール瓶」のように腫れるかもしれません。余談ですが「蟹歩き」で帰った審判員のお話を聞きました。

 アウトサイドプロテクター(漫画に出てくる球審の用具)は何といっても球審の安全を考えた場合には絶対に必需品です。お値段は1万5千円前後です。それに「攻撃側審判」の交代がある試合には最適の審判用具です。
 審判員に知り合いの方がいましたら安く譲ってもらうといいです。現在ではほとんどインサイドープロテクター(中に着込む)を使用していますので不要になっているはずです。

 お断りしておきますが、「攻撃側審判」を奨励しているわけではありません。「攻撃側審判」で少しでも事故や怪我が無いように楽しい試合をしていただくためのアドバイスです。


(2006年2月15日)


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