【10】私設リーグの限界
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「私設リーグはユニホームが揃ってなくても、8人でも一人借りて来てできる」
「正式な軟連の大会は、なんだかんだとうるさい」
「うるさくない私設リーグにだから入るのだ」

 そんなこんなの心構えで野球をしているチームが最近特に増えてきました。サタデーリーグも残念ながらこのような「心構えのチーム」がなかなか淘汰されず残っています。

 昨年、ある「ネット大会」の審判をお願いされた時、A監督より「この大会の規則・規約を読んでいますか」と質問されました。
 私も一通りは目を通してきましたので、その旨をお答えいたしました。

 整列した時に帽子をかぶってない選手がいました。A監督はそれを了解いたしました。次にスパイクを履いていない選手、バンドをしていない選手が発見(?_?)されました。

 A監督は完全に切れてしまいました。
「こんなチームとはできない。審判さん、我々の不戦勝です」。

 相手の監督は「練習試合でお願いします」
 A監督「いや、結構です。我々の練習にします。費用は持ちます」

 という訳で「コールドゲーム」となりました。

 A監督「審判さんせっかく来ていただき、審判ができず本当に申し訳ありません。今後は気をつけます。練習試合をやってもいいのですが、あのチームから得るものがないのです」といい、規定の審判費用を封筒にいれて差し出しました。

 私は、A監督の野球に対する取り組・姿勢にとても感動いたしました。
「審判をやっていないので全額いただくわけにはいきません。半額をチームのために使ってください」。
 A監督は断固として受け取りませんでした。

 このチーム、抜群に強いチームではありません。特徴的なのは選手層が20代〜40代と厚いのです。なんといっても監督をはじめスタッフがしっかりしています。それにチームの目標みたいなものが感じられるのです。

 クラブチームの特徴は「弱くても楽しければいい」「勝つことが最大目的」「目標をもってチーム作りをする」と、大まかに3つに分けることができます。

 この中で「弱くても楽しければいい」というチームが圧倒的に多いのですが、実はこういうチームの中には実力がないのに勝ちにこだわるチームがあるのです。審判の判定に一番文句をいうのもこのクラスです。

 やはりチームの指針をしっかり持ったチームは、全ての面できちんとしています。また、強い・弱いで相手チームを判断いたしません。とくに「野球マナー」を重視しています。

 やはりいいチームの目標は「天皇杯」「国体」「高松宮賜杯」「東京都大会」「町・市・区大会1部優勝」です。これらのチームに共通するところはマナーがいいことです。


 首都圏サタデーリーグの運営を十数年やってきましたが、やはり私設リーグの限界を最近特に感じています。

 我々草野球審判員は「大舞台」になかなか恵まれないのです。それでも昨年はあるネット大会の「関東大会決勝戦」の審判をやることができました。こういう大会から得るものは審判冥利に尽きます。

「私設リーグ」が一つになって全国大会規模の大会を開ければ、これまた事情が大きく変わって来るのではないでしょうか。


 (2006年1月15日)


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