「審判をめぐるトラブル」とマスコミへの反論

 臼井 淳一 




 5月6日の中日の審判暴行事件に続いて、6月7日、巨人・メイ投手は、阪神・和田選手のバッターボックスをはずすことに苛立ち、頭を狙ってボールを投げた。このことについての処分は報道の通りです。

 私の見解ですが、あの場面は両チームより何ら抗議もなく、ゲームが終わってから、野村監督がブツブツ言い出し、ことが大きくなりました。もちろん和田選手のボックスをはずすことに注意をしない、メイ投手の「危険球」にもなんら警告をしない橘高球審にも、問題があります。が、ゲームの流れとして考えた場合、別にどおってこと無いと思いましし、審判員の裁定・裁量の範囲内のことであると思いました。
 私たちの草野球でも、四球を選ぼうと思い、バットを出したり、引っ込めたり。それに苛立ち投手はデットボールを出して、何ら謝らない。私はそういう場面では、どっちもどっちだと思い、注意はあえてしません。

 橘高球審は1ヶ月前、中日の選手に肋骨を折る暴行を受けたばかりの審判です。デットボールを受け、大怪我をした選手が、復帰した時ボールが怖いと、聞きましたが、橘高審判も「また、トラブルに巻き込まれたくない」そんな心境ではなかったのでしょうか。
 くどいようですが、あの場面でなんらトラブルは起きておりません。一部、新聞報道では「トラブルが多い橘高審判」「ヘタクソ審判」と書かれておりますが、これも高原セ・リーグ会長が1日置いてから、選手、審判への「処分」を発表したりするから、ややこしくなるのであります。

 今回のトラブルと、「審判への暴行事件」と一緒にして、マスコミでは報道しておりますが、まったく次元の違った問題であることを指摘しておきます。

[2000年6月11日]