(3) 一人審判の泣き所
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 2アウト1塁、3塁です。1塁ランナーは飛び出しランダウンプレイが発生しました。3塁ランナーはホームを狙っています。

 ここで一人制審判の場合は両方を見なくてはなりません。と同時に野球は点取りゲームです。1塁ランナーがアウトになる前に3塁ランナーはホームを踏めば1点入ります。

 ここではしっかりと見て判定する必要があります。審判の見る角度はランダウンプレイのタッチプレーが見え、かつホームでのタッチプレーが見える位置です。一塁線上から少し下がったホームベース付近がいいと思います。

 ランダウンプレイが気になり前へ出たくなりますが、ホームでのタッチプレーが見えなくなります。これは絶対やってはいけません。

 ランダウンプレイがアウトになり、ホームへランナーがきた場合には、私はこういうコールをします。

「アウト!1点入った!」
「アウト!点入らず!」
 両チームに疑問のスキを与えないことです。

 英語でコールするともっと格好がいいですが、瞬時の判断ですので分かりやすくコールするようにしています。

 ついでにこんなコールもします。1塁でのクロスプレーのコールです。
「足が長いからアウト!」どっと笑いが起こり、両チーム納得です。
 間違っても「足が短いからセーフー」これはいけません。

 最近は1点を争う真剣勝負の試合が多くなりました。軟連大会の1部クラス同士のネツト大会です。本来ならばこのクラスは「二人制審判」でやるべきなのです。

 捕手からの牽制でランナーアウト、セーフーのギリギリのプレーが行なわれます。特に判断が難しいのは3塁への捕手からの牽制球です。ホームから見るのには完全に後ろからしか見えません。これも一人審判の泣き所です。

 一人制審判ほど囲いのあるグランドで行なうとホッとします。ボールデットラインを気にせず出来るからです。大田区立多摩川緑地野球場は13面それぞれ特別グランドルールを設定しなければなりません。とくにホームランの取り決めは難しいです。

 フェアー地域をすべてフリーにしてしまいますと、グランドによっては道路にボールが出てしまう、また、植木などの障害物などがあります。こういうグランドは外野手の自己申告でホームラン、エンタイトル2ベースを判断する以外ありません。

 囲いのないグランドではすべてを審判員一人に任すのではなく、選手も協力していただけますとありがたいです。

 フェアー地域に障害物がない河川敷ですべてフリーにいたします。足の早い人はホームラン、遅い人は2塁までしかいけません。まぁ、条件は同じですからこれはこれで結構盛り上がります。

 先日、東京ドームで夜中の試合の審判を行ないました。グランドから観客席を見上げますとまるでグランドが瓶(かめ)の底のように感じました。
 4万人もの観衆の騒音だけでもプロの審判員にかかるストレスとプレシャーは半端ではないと思いました。

 われわれ草野球の一人制審判は「静かな環境」ですので、ストレスとプレシャーは感じませんが、野球以外の「私語」が時々耳に入り、「集中力」に欠けてしまう時があります。

 どうぞ野球をやっているときには「競馬の話」などはしないでください。


(2006年6月1日)


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