(14) 一人制審判「時間短縮」
「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ


 一人制審判の試合は、ほとんど2時間という枠の中で行なわれます。試合前のアップに10分。グランド整備に10分。正味試合時間は100分でございます。

 この100分の時間をいかに有効に使うかが、一人審判の腕のみせどころです。
 私の場合は審判から「タイム」を必要最低限かけないことにしています。

 また、ボールデッドから「プレー」をかける時には、投手がプレート付近をうろうろしている場合も早くしなさいということで「プレー」をかけます。また、ファールボールの後はすぐに捕手にボールを渡します。

 これが意外と時間短縮になります。「ファール、ファール」と両手を挙げて叫んでからボールを投手に投げている審判員もいますが、誰が見ても分かるファールは無言で、さっさとボールを渡した方がいいと思います。また、捕手もさっと手を出しますので、投手に届いたらすぐに「プレー」です。

 次に外野へのファールボールはライト、レフトの選手に拾いに行かさず、ベンチの人が行くことです。広い河川敷などでは選手が行っていたのでは時間がかかります。ライト、レフトがボールを返しますと、ボールが戻ってくるまで約1分20秒の時間を使う場合もあります。

 一番時間を使うのは「牽制球」です。牽制球は本来「走者を刺す」ということです。牽制を投手の「間合い」を取るのに行なったり、走者が塁上にいるのに牽制するのは、走者を「刺す」牽制球ではないと思います。4球、5球もやっていたのでは時間がいくらあっても足りません。

 「攻守交替」を「早くしなさい」という審判員がいますが、これは時間短縮にあまり関係ありません。私たちの場合は3球の投球練習後にすぐにプレーに入ります。ゆっくりしていれば内外野の練習が出来なくなるだけです。
 バッテリーを急がせ、捕手が用具をつけている間は他の人にやらせます(普通は常識なのですがなかなか出来ていないチームが多いです)。

 試合には必ず1、2回「山場・勝負どころ」があります。3分で攻撃が終わるイニングもあれば、15分かかるイニングもあります。
 試合の「山場・勝負どころ」にはたっぷり時間をかけたほうがいいのです。そのためには無駄な時間を他のことでかけたくないのです。

 私設リーグの特別ルールで「試合終了時間10分前で勝っているチームが勝ち」、7回表でも逆転したチームが勝ちという特別ルールがあります。これは100分という時間に縛られる試合には合理的です。このルールは2回たたかい、先攻、後攻を交互にすることで公平になっています。

 このルールはとても合理的なのです。表で勝っていても、裏をやらなければ成立しない正式ルールは、時間を気にしてわざと三振したりしますがその必要がないのです。途中10分前で打ち切られても個人記録は残る仕組みになっています。

 審判員もこのルールですと時間を気にせず出来ます。せっかく逆転したのに時間で打ち切り「負け」は釈然としません。出来れば裏をやって決着をさせたいのです。

 今回は「時間と無駄」の事を書きましたが、一人審判の場合には審判員に無駄なことをやらさせないで審判に集中させることです。

 先日、外野まできれいにラインを引いてくれるチームがいました。また、反対にラインカー、ベースなど100メートルも離れている場所にあるのに審判員に運ばせているチームもいます。

 本来、審判員は「審判」をやるのであってこういう雑用はやらなくていいのです。そうは言っても誰もやらなければ審判員がやる以外ありません。ここは選手の皆さんもグラウンド作りに協力してあげてください。

 よく選手の皆さん「楽しく野球をやろう」といいます。ぜひこれに審判員も入れてやってください。審判そのものは辛い仕事ですが、選手の皆さんが「審判の方も楽しくやりましょう」そういう気持ちを持っていただきますと、辛い一人審判ですがやる気がモリモリと湧いてきます。

 時間を最大限有効に使いまして、楽しい野球を審判員も含めましてやろうではありませんか。


(2006年11月15日)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ