(20) 一人審判員のルーツ
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 今回は、一人制審判のルーツをいろいろと調べて見ました。先輩の審判員の方にもお話を伺いましたがイマイチはっきりしませんでした。

 いろいろ考えた結果、子どもの頃の「三角ベース野球」ではないだろうかと思ようになりました。そのまえに「三角ベース野球」を知らない世代が多いので説明をします。

 三角ベースとはホームと一塁、三塁だけです。二塁がないのです。三角形になりますね。ちょっとした広場があればすぐにできました。ゲームの人数は最低6人集まれば出来るのです。攻撃三人、守備3人です。

 本格的にゲームになりますと6人対6人になります。実はここで審判員が必要になってきます。もちろん全員ゲームに参加したいので交代で審判を行ないました。それも球審だけです。

 ボールは丸い物であればなんでも良かったのです。布切れを丸くしたのを覚えています。バットは要らなくなった「すりこぎ」を使いました。もちろんグローブなどはありません。すべて素手で行ないました。

 投手の投げ方はソフトボール方式でした。ボールはせいぜい20メートルぐらいしか飛ばないので、近所の窓ガラスを割ったりはしませんでした。しかし、たまに軟式ボールが手に入りますと、窓ガラスを割ってしまい怒られました。

 私たちの時代は「三角ベース野球」を小学生では全員体験していると思います。学校では「ソフトボール」が体育の時間に行なわれたことを覚えています。

 本格的な野球は中学に入ってからです。今のように小学生の「少年野球クラブ」はありませんでした。

「三角ベース野球」が一人審判のルーツだとしましたら、団塊の世代と言われる人達は何らかの形で審判に係わっているのです。私も35歳ぐらいから少年野球の審判を始めましたが、その時に「審判」というものにそれほど「違和感」がありませんでした。

「三角ベース野球審判」の延長で、今でも行なわれていますのが選手の「攻撃側審判」ではないかと思います。

 本格的な審判講習会に参加し、野球規則書、競技者必携書に接するようになって初めて審判の奥深さ、難しさが分かるようになりました。

 野球の審判は決して机上だけでは出来ません。実践の積み重ねです。選手の皆様の「攻撃側一人審判」を見ていまして素晴らしい「声」を出している人を見かけます。思わず「審判やりませんか」と声をかけたくなります。

 私達の世代は声が大きい人は「ガキ大将」になる要素の一つでした。団塊の世代といわれる人で、審判をやっている人は子どもの頃は「ガキ大将」だったと思っていいでしょう。

 一人審判のルーツは「三角ベース野球」の審判から始まったのではないでしょうか。

 我々、草野球審判員が「一人審判」として、私設リーグ、ネット大会、練習試合の審判として活躍するようになったのは20数年前ではないかと思います。それまでは審判は2人〜4人と定義づけられていたのではないでしょうか。

 特に最近では、インターネットの普及で、ネット大会等の試合数が多くなり「一人制審判」の依頼数が多くなっているのではないでしょうか。

 一人審判のルーツはまだほかにあるかもしれません。先輩審判員のお話、現役で野球をやっておられる先輩諸氏のお話もお聞きしたいと思っています。


(2007年2月15日)


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