(21) 審判は年数ではない
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 よく「審判をやられて何年ですか」と聞かれる事があります。

 野球の審判は経験も大切ですが、現時点でどれだけ身体が動けるのか、声が出るのかが問題です。それに新しい審判のメカニックを学ぶ意思があるかどうかです。

 審判のメカニックは、審判講習会に2年も出なければ完全に置いてきぼりにされます。まごまごしていますとルールが替わったのも分からなくなります。

 20年、25年の審判経験だけでは計り知れないものがあります。

 私は過去に10年ほど一人審判に没頭した時期がありました。ある日グランドで私の審判を見ていた、知り合いの審判の方からこんなことを言われました。

「一人審判の癖がどっぷりついていますね。もう貴方には複数審判はできませんね。私達は二人制審判の勉強会をやっています」

 この言葉はショックでした。と同時に非常に寂しくなってきました。この頃の私には仲間がいませんでした。土曜、日曜、祭日に私設リーグの審判を一人でこなしていくのが精一杯でした。

 一人で審判をやっていたのでは、ある程度の自己満足を得て楽しいかも分かりません。しかし審判員としての成長は望むことは出来ません。

 過去に10年近く某審判組織で学んできました。審判の知識はこのくらいでいいと思っていました。しかしそれは大きな間違ないのです。この間違いは仲間がいないと気づかないのです。

 5年ほど前に初心に戻り新しい審判組織を創ろうと思い立ちました。

 仲間がいるということは、一人で出来なかったいろいろなことが実現可能になってきました。「審判保険」という画期的に保険を作っていただきました。また二人いればすぐにでも「勉強審判」が出来ます。審判講習会も誘い会って参加することが出来ます。


第3回首都圏野球審判講習会

 一人で審判をやることは、あまりにも死角が多すぎます。それよりも一人で審判をやっておられる方はあまりにも寂しすぎます。

 最近、どこの組織に入られていない「一人審判」の方をよく見かけます。私はなるべく声をかけるようにしています。先日もこんな会話をしました。

「ながいこと審判やっておられるのですか」
「軟連に入っていましたが、どうもうまくいかなく辞めました。審判が好きですからこうしてやっています」。

「そうですか。審判の組織は難しいですね」
「一人審判しかできず、少し物足りないですよ。まぁマイペースでやっています」

「それもいいかもしれませんね。私達のホームページが見られる機会がありましたら見てください」
 こんな会話をして別れました。が、中々メールを頂くことは出来ません。

 一人審判の方は高齢者が多いといわれます。それは人間性が優先されるからです。選手に文句を言われて「カァッ」と熱くなってはいけません。試合の進行係も兼ねておりますので、いろいろな経験がありませんと試合を裁くことは出来ません。

 首都圏野球審判協会は「4人制審判」の経験しかない方には、はじめは二人制審判をやっていただきます。とくに若い方には一人制審判を安易にやらせず、「二人制審判」をやっていただく方針です。そのことが若い審判員を成長させると思っています。


(2007年3月1日)


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