(24) 野球場は真っ直ぐのライン一本
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 シニアリーグの公式戦が終わった後のグランドで一人審判を行いました。
 ご存知の皆様も多いと思いますが、春の甲子園大会でバッターボックス付近に大きな丸を描かれた白線がありました。

 シニアリーグの大会にも丸が描かれておりました。その丸をそのままにして審判を行いました。

 試合中に選手の反応を見ていましたら、丸を避けるように動いています。何のための丸い白線かを選手に聞いてみました。

「バッター以外は白線の中に入っていけない」
「バッターが白線から出たらワンストライクを取られる」
「甲子園で見たが意味が分からない」
「気持ちが悪い。描かれていない方がいい」
 等々の意見が出ました。

 この丸い白線はダートサークルと申しまして、ベースを基点に約4メートルの円です。その意味は。

 野球規則6・09(b)原注・第三ストライクと宣告されただけで、まだアウトになっていない打者が、気がつかずに、一塁に向かおうとしなかった場合、その打者は“ホームプレートを囲む土の部分”を出たらただちにアウトが宣告される。

 球場によっては“ホームプレートを囲む土の部分”があったりなかったりしますので、公式大会などでは円を描いている場合があります。

 簡単に申し上げますと、いわゆる「振り逃げ」した打者が一塁へ向かわず、ダートサークルを出てベンチ方向に向かおうとしたら、アウトを宣告されるということです。

 それでは意地悪な見方で、円の中を選手がグルグル回っていたらどうなのでしょうか。審判はタッチ(タッグ)されるか、ボールが一塁へ転送するまでアウトに出来ないのでしょうか。

 私は「振り逃げ」で一塁へ行く意思がないと判断しましたら「即アウト」でいいと思います。

 断っておきますが「振り逃げ」という用語は野球規則書にはありません。けれどこれだけ「普及」しているのですから「ちょとだけ」入れてもいいのではないでしょうか。

 よく人工芝グランドで野球場とサッカー場を兼ねたグランドがあります。ここもやたらに線が多く、打球がサッカー用の線上に落ちますと一瞬混乱をいたします。先日も外野の選手が何本もの白線を見間違いしてファールと勘違いしていました。

 野球場は真っ直ぐのライン一本が一番いいのです。何本もの白線や大きな丸い円は不釣合いではないでしょうか。

 とくに一人審判では、グランドに丸い白線とか、余計な線が描かれていますと、神経を使います。

 なんども言いますが、野球場は真っ直ぐのライン一本が一番いいのです。


(2007年5月1日)


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