スポーツ博覧会
スポーツ・ライター 玉木正之


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 ■2 今年のプロ野球界に大きな変化が?

 新潟県の泉田裕彦知事が、県の行政、財界、そして県民で立ちあげる「プロ野球新潟招致委員会」の設立総会(三月二十四日)を前に、「地域をあげてプロ野球チームを迎える体制を整えたい」と宣言。
 具体的な球団名はあがらず「夢の実現に向けて態勢を整えたい」と慎重だが、関係者のあいだでは、相当本気で水面下の交渉も既に始まっている、という噂で持ちきりだ。
 しかも昨年の「トキめき新潟国体」でオープンしたハードオフ・エコ・スタジアム新潟(収容約三万人)では、今年の五月の大型連休には横浜vs巨人戦、七月にはオールスター戦の開催も決まっており、新潟のプロ野球招致熱は、一段と盛りあがる気配だ。

 かつて日本海側の諸県は冬の雪深さもあって、スポーツ(とくに野外スポーツ)とは比較的無縁といわれていた。が、二〇〇二年日韓ワールドカップを契機にアルビレックス新潟が誕生。観客動員でJリーグのトップを争うチームに成長。アルビレックスは、プロバスケットボールbjリーグ、地域独立リーグのベースボール・チャレンジリーグにもチームを持ち、冬季五輪出場選手やモータースポーツとも関わりを持っている。
 泉田知事が後援会副会長のアルビレックスは三十に及ぶ大学や専門学校を経営するNSG(新潟総合学院グループ)が母体。スポーツ・ビジネスの経験も豊富で、プロ野球球団の運営にも問題ないはず。
 はたして球団を売却しそうな親会社(TBS?)から球団(横浜ベイスターズ?)を(約百億円で?)買収するのか? それとも他にプロ球団を望む都市(松山? 那覇?)とともに新球団設立を企て、セ・パいずれかのリーグが球団数を増やすのか? いずれにしろプロ野球界は、近々大きな変化を迎えそうだ。


(「損保のなかま」2010年5月1日付より)


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