スポーツ博覧会
スポーツ・ライター 玉木正之


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 ■7 ユニフォームの派手なカラー化は時代の趨勢?

 熱心なプロ野球ファンではないが、近ごろめっきり放送が減ったなあ……などと思いながらも、テレビのプロ野球中継を見る。
 そんな人のなかには、最近のプロ野球を見て、「えっ? 何だコレは!」と驚いた人もいただろう。
 どの球団もユニフォームがガラリと変わった(ときもあった)からだ。しかも一目で「レトロ」とわかるオールド・ファッションのユニフォームが次々と登場した。

 以前からパ・リーグでは、西武ライオンズが西鉄ライオンズ時代(1951〜72年)のユニフォームを着たり、他のパ球団もシーズン中のユニフォームの変化でファンの目を楽しませたり……。  セ・パ交流戦のときは、12球団が別のユニフォームを用いたりもしていた。
 そのうえ今年の夏休みのお盆明けには、セ・リーグが「オールド・ユニフォーム・シリーズ」と称して60年前のユニフォームを身に付け、古いファンを喜ばせた。
 しかもレトロなユニフォームは、最近のカラフルなユニフォームと違い、シンプルな白黒中心で新鮮だった。

 プロ野球史上初めてユニフォームに赤や青の色を使ったのは太平洋クラブ(73〜76年、現・西武)。そのときユニフォームは白か灰色が常識と思っていた関係者やファンは仰天した。
 が、ルールブックにはビジター用ユニフォームは「カラード(colored=色付き)」と書かれているだけ。灰色や黒とは書かれてない。
 それに気付いて以来カラー化が進んだが、日本のプロ野球のユニフォームが「白黒灰色」に縛られ続けたのは、「純粋」「純真」を求めるアマ野球が「派手さ」を嫌った影響だろう。
 柔道着もカラー化の時代。たまにはレトロなモノクロもいいが、将来のプロ野球のユニフォームは、さらにド派手になりそう?


(「損保のなかま」2010年10月1日付より)


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