■27 スポーツマンと国籍
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スポーツマンの「国籍問題」が騒がれた。きっかけはタレントの猫ひろしサン。マラソンのカンボジア代表としてロンドン五輪出場を決めたことに賛否両論が渦巻いた。 一方、猫サン支持派はスポーツマンの国籍変更は今や世界の常識で、日本もラモスやロペスというブラジル人をサッカー代表選手にした。なのに猫サンを非難するのは不当だという。が、この問題は「支持派」の論理に無理がある。 そのような文化的伝統もなく、経済的事情でもなく、ましてや猫サンを7分も上回るカンボジア人選手が現れたのだから、この原稿が配信される頃には、猫さんが潔く自ら五輪代表を辞退されていることを祈りたい。 (スポーツライター・音楽評論家。国士舘大学体育学部大学院非常勤講師。著書多数) |
(「損保のなかま」2012年6月1日付より)
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