■39 米野球界の拡大政策
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1934年に、ベーブ・ルースなどのスーパースターがそろった米大リーグ選抜チームが来日し、全日本チームと対戦。同年にこのときのチームを母体として、読売巨人軍の前身である大日本東京野球倶楽部が誕生した。 日本のプロ野球界には、米国で試合を行うメリットなど存在しない。観客が入るかどうかも心配で、大リーグの関係者からは、米国人観客の動員には期待できないから、在米日本人だけでなく、在米韓国、中国、台湾人の人気を得るために、今からでも巨人か阪神にそれらの国籍のスター選手の加入を働きかけたい、との声もあるという。 大リーグの関係者が、そこまで熱心にプロ野球の米国開催に力を入れるのは、もちろん大きな理由がある。 はてさて、それが何年後のことなのかは判然としない。が、米野球界の拡大政策が日本のみならず、韓国、中国……などのマーケットも視野に入れ、進出しようとしていることは事実のようだ。 (スポーツライター・音楽評論家。国士舘大学体育学部大学院非常勤講師。著書多数) |
(「損保のなかま」2013年7月1日付より)
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