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 ■13…パーソナリティ特性 −社交性豊か−
   巨人ファンは声高に熱弁を振るう…

 巨人ファンのパーソナリティ特性の四番目は「社交的」なことである。
 内向的で複雑な思いを抱いている他球団ファンに比べて、巨人ファンは野球への態度が陽性であり、友人との関係では受身型ではなく、働きかけ型である。
 「友人とプロ野球について話し合ったことがありますか」という質問に対して、 

松井選手は巨人出身だからこそ注目される…
 全体では、
 「ある」    29%
 「少しある」  26%
 「ない・ほとんどない」  45% 
 巨人ファンは、
 「ある」   52%
 「少しある」 22%
 他球団ファンは、
 「ある」    35%
 「少しある」  35% 
であった。
 全体で「ない・ほとんどない」の合計45%は、「好きな球団がない」人の比率とほとんど重なる。
 巨人ファンを含めて好きな球団がある人は、ほとんど同じように「話し合っている」ように見える。しかし、その積極さにおいて巨人ファンは他球団ファンに数段勝っている。とりわけ男性の巨人ファンの86%が「ある」と答えているのである。プロ野球について語るとき、巨人ファンの声は一段と高く、そして多弁である。コミニュケーション学的視点から言えば「発信型」なのである。
 多数派であることの自信、勝利の実績がそうさせる。まさに「勝利の自信に満ちたものは声を大にし、敗北を予測するものは沈黙しがちになる」(ノエル・ノイマン「沈黙の螺旋理論」)のである。
 この巨人ファンの声高さが、巨人ファン以外の人々に巨人の姿を一層大きく見せることにつながっていくのだ。
 「調査」では「友人の中で最も人気のあるプロ野球チームはどこだと思いますか」という質問を行ったが、これに対して「巨人」と答えた回答が実に75%を超えた。
 つまり、巨人ファンは実像の二倍以上という虚像となってプロ野球ファンの間を闊歩しているというわけである。
 そして、その主要な原因が、巨人ファンのコミニュケーション活動、積極的な発信行動なのである。
 この発信行動と表裏の関係にある、巨人ファンの友人関係は、他球団ファンのそれより、際立って広範囲にわたっているという興味深い事実がわかっている。そのことについては来月号で分析する。

(「損保のなかま」2003年4月1日号より転載)


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