自民党支持者二人に一人は巨人ファン |
巨人ファンは他球団ファンより「現実的」であり、ある意味では「享楽的」であることが前回までの調査で類型的に指摘できる。それでは、巨人ファンは現在の社会をどう見ているのだろうか。 「調査」は、「あなたは今の社会に満足していますか」と質問した。回答は例によって「満足」「どちらかといえば満足」「普通」「どちらかといえば不満」「不満」のうちから選択してもらう方法である。 まず全体の数値を示すと、 「満足」 5% 「どちらかといえば満足」 18% 「普通」 39% 「どちらかといえば不満」 25% 「不満」13% であった。
しかし、不満度は大いに違った。巨人ファンの「不満」「どちらかといえば不満」はあわせて29%に過ぎないが、他球団ファンのそれは45%にものぼっていたのである。 巨人ファンは今の社会を基本的には肯定的に捉え、現状を容認している。世の中って考えようによればそんな悪いもんじゃないよ、そのなかで自由に、あまり難しい理屈などこねまわさないで、楽しく生きていこうよ、それが人生というものさ、巨人ファンはこう考えているのである。 巨人ファンのこの傾向は、政党支持にも反映する。朝日新聞の調査(00・02)によれば、各政党支持者中の巨人ファンの比率は次のとおりである。 自民党 48% 公明党 42% 自由党 33% 民主党 33% 社民党 25% 共産党 19% 全体 34% 概観すれば、自由党や民主党支持者における巨人ファンが日本国民の平均的巨人ファンと重なるが、自民・公明という与党連合には巨人ファンがより多い。とりわけ、自民党支持者のうち二人に一人は巨人ファンであるが、一方、対極に位置する共産党支持者には五人に一人しか巨人ファンはいない。「自民党=巨人」という類型的表示は、あながち根拠のないことではなかったのである。 以上の巨人ファン率については、統計理論上「0・1%レベルで有意」、つまり、その数値が偶然でない確率は99・9%以上である。 (「損保のなかま」2003年10月1日号より転載) |