スポーツに吹く風
スポーツジャーナリスト 泉 准也


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 ■3 今年もイチローの記録に注目

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 WBC活躍後、胃かいようで体調をくずし、「やはり人の子」といわれたマリナーズ・イチロー(35)がまたもや、やってくれた。日本人選手では最多の日米通算3,086安打を達成。現在もその数字を更新し続けている。
 そして、もう一つの大記録となる大リーグ史上初の9年連続200安打と、大リーグ通算2,000安打にも挑む。
 当然、記録達成となれば、今回と同じように、新聞の号外があちこちで配られ大騒ぎとなるだろうが、それにしても『イチロー能力』には敬服する。

 つい先日、東京ドームでWBCの日本代表チームのピッティングコーチを務めた山田久志さんにお会いした。そのときもイチローの話題になったが、「彼なら50歳まで現役プレーヤーが務まるんじゃないのかな」と山田さんはおっしゃる。
 「ただし視力がどうかを除けばの話…。彼はバッティングや走力が衰えても、それをカバーするだけの能力とセンスがある」(山田さん)
 となると、ピート・ローズの大リーグ最多安打、4,256本まで、あと1,170本。今後、年間200安打を続けると満41歳になる2014年に追いつく計算になる。大きな期待にますます胸膨らむ。

 希代のヒットメーカー、張本勲氏(69)も「日本最高記録は私の3,085安打。イチローはあくまで日米通算であって日本の記録ではない。これは負け惜しみなどでなく、それが記録というものの正当なあり方ではないだろうか。でも、ヒットを打つことに関しては私より数段上。あっぱれだ」と称賛している。

 今季のイチローは開幕から8試合欠場したハンデはあるものの、200安打達成まで、緊迫感あふれる打席を見せてくれそうだ。


(「損保のなかま」2009年6月1日付より)


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