スポーツに吹く風
スポーツジャーナリスト 泉 准也


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 ■10 ハンカチ王子世代に注目!

いらすと

 「雄星フィーバーの次は佑ちゃんの大争奪戦が展開する」と言われる2010年。

 今年は、斎藤佑樹投手(早大三年、早実出身)など、ハンカチ王子世代の選手がごそっとプロ入りを目指す。既に同世代では楽天・田中将大投手(21)など、プロ野球界で活躍している選手もいる。
 大リーグ志向の強い中央大・澤村拓一(三年)のように、大学生の神宮(球場)最速記録を塗り替えるMAX156キロの速球派もドラフト一位候補だ。
 また斎藤佑樹と同じ早大・大石達也投手も150キロ台の速球を投げ込む実力派でベストナイン特別賞に輝いている。
 他に秋の東都大リーグでチームを初優勝に導いた立正大エース・南昌輝などドラフト上位候補生がズラリと揃っている。

 しかし人気、実力とも今年のドラフトイヤーの主役になるはずの「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹の評価が下がっている。どうしてだろう。
 早実時代から視察しているニューヨーク・メッツのスカウト・大慈彌功氏は「高校時代から早大一年ころまであった150キロ近い速球が、昨秋はMAX142キロと球威もなくなった。投球フォームにも躍動感がなく、今のままではプロは厳しい。このオフと春季キャンプが大事だ」と指摘。
 早大OBの野球評論家も「自分を厳しく追い込む練習をして上(プロ)を目指す強い気持ちでスキルアップしていかないといけない。もりもり食べて、もっと体力をつけてほしい。プロは甘くはない」と言う。
 だが、大学三年まででリーグ通算25勝はだてではない。ツーシームなど多彩な変化球とコントロール、頭脳的なピッチングは斎藤の持ち味だ。「ハンカチ王子」の最後のシーズンに注目したい。


(「損保のなかま」2010年1月1日付より)


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