スポーツに吹く風
スポーツジャーナリスト 泉 准也


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 ■11 春季キャンプで話題の雄星君

いらすと

 「松坂(大輔)さんのようになりたい」―。西武にドラフト一位で入団した菊池雄星(18)が、昨年暮れの入団発表の席で語った抱負だ。
 「伝統のあるチーム。結果を出さないといけないという期待と責任を感じている。これまで野球を大事にしてきたのでその姿勢を見てほしい。これからもストイックに自分を追い込みたい」
 高校生とは思えない、実に大人びたにおいを感じさせる言葉である。聞けば読書好きで、大リーグや日本のプロ野球に関する本はほとんど読破したという勉強家。

 そんな雄星が二月一日、一斉にスタートとなる春季キャンプでデビューする。西武のキャンプ先は、昨年の覇者・巨人やソフトバンクと同じ宮崎の地(南郷町)である。
 キャンプは約一カ月にわたる基礎練習や特訓で、一シーズンを戦える強靭な肉体と精神力を養う。ここで先輩選手に交じり、雄星のプロ野球人生の幕が開く。
 常時百五十キロ台の速球を投げ込み「二十年に一人」の逸材といわれ、将来を大きく嘱望されているのは周知の通り。松坂と同じか、それ以上とも言われるほど注目度が高い。

 今年は同じ時期にバンクーバー冬季五輪が開催されるが、南国・南郷にもファンやメディアが大挙して押し寄せ「雄星フィーバー」が沸き起こると予想されている。
 かつて桑田、松坂らがそうであったように、これから日本の野球界を引っ張ろうとするスーパースターの宿命かもしれないが、どんな環境であっても揺れることなく、粛々とやるべきことに心血を注ぐべきだ。
 ナベQ(渡辺)監督も、焦らずにジックリと育てる方針で「息の長いエースを期待している」と語る。
 キャンプ視察が楽しみだ。


(「損保のなかま」2010年2月1日付より)


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