スポーツに吹く風
スポーツジャーナリスト 泉 准也


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ


 ■12 連覇へのスローガンは「原点」

イラスト

 二月のキャンプインから一カ月。各チームともいよいよ開幕へ向けた実戦練習へと移った。
 ここからはキャンプで鍛えた体と技術を、オープン戦など他流試合の中で点検。その修正を図りながらレギュラーシーズンに備えるのである。
 監督など首脳陣は、いずれも「開幕ダッシュで」と口をそろえ、「ロケットスタートで突っ走る」などと威勢の良い言葉を発する監督もいる。
 長いペナントレースとはいえ最初が大事というわけ。

 もう一つ指揮官として大切なことは、今季の指針。つまり選手らとチーム一丸となって戦っていくための標語、スローガンが必要だ。
 昨年、WBCで世界一になり、自軍巨人の指揮官としても日本一とリーグ三連覇に輝いた原辰徳監督の今シーズンのスローガンは「原点」。
 「今年は四連覇が懸かっている。『初心』でも良かったのですが、『原点』の『原』はハラとも読めるし、相性の良さを感じた」と原監督はこの言葉への思いを語る。
 理論派で鳴る同監督にしては、冗談めかした言い方にも聞こえるが、「野球に取り組む姿勢をもう一度考え、技術的にも基本プレーを見詰め直す。試合に勝つためにはどうすれば良いかを考えている」という意味も込められているそうだ。

 昨季、巨人と日本一を争った梨田・日本ハムは「Feel it!」(感じる)がテーマ。
 「選手が自主的に戦況などを考え、チームプレーを遂行する『つなぎの野球』を実践していく」
というのがコンセプトだという。

 またスーパールーキー・菊池雄星(18)を迎えた渡辺・西武は「No Limit!2010 逆襲の獅子」。
 十二球団、それぞれのスローガンと秘策を胸にペナントレースの幕開けを待つ。


(「損保のなかま」2010年3月1日付より)


「サタデーリーグ」トップページへ
前ページへ