秩父へは「定年退職者の会」の恒例の旅行です。白州町では屋敷林のある友人宅でのんびりしてきました。

　今回は車で、高速道路を使わないで行きました。高速道路はただひたすらに走り、景色を横目でチラリと見るだけです。目的地に着いたらそれで終わりです。

　ところが一般道は実にバラエティーに富んでいます。〇〇博物館、〇〇記念館、足腰の神様。それに最近は公営の温泉付き食堂などがあり、美味しい「おそば」にも出会います。

　また国道には「路の駅」がしっかり標示されており、地元で取れた野菜、お土産物など、そして地ビールなどが購入できます。
　もちろん美味しい水も見つけました。秩父では日本の水、白州町では南アルプスの水をそれぞれ60リットル汲んできました。

　一人旅の気楽さは、何か面白そうな標識がありますとすぐに横道に入り込めます。「あと5キロで神様に会える」などと書かれていますとどんどん進みます。狭い道の５キロの永い事。やっと到着して神様にお会いしました。こんなへんぴな場所で日光・東照宮で有名な「左甚五郎」の彫り物に出会いました。

　秩父記念館では「秩父夜祭」の実物大の山車があり、秩父夜祭の映画を見て、その迫力に感動し涙しました。34カ所札所めぐりも車で回れば２日で出来るそうです。秩父付近は魅力のある場所がたくさんあることが分かりました。

　山梨県白州町の友人宅は、２キロも走れば長野県です。また、甲州街道は実に味のある国道です。こんなに狭い道が新宿にまで通じていると思いますと歴史を感じます。ちょうど交通安全週間でしたので２回も検問にかかりました。運よくわたしの車ではなく、なぜか後ろの車が捕まりました。ただただ「運」が良かっただけです。

　友人からは２年も前から「来い、来い」と言われ続けやっと実現しました。屋敷林を含めますと約１千坪ぐらいあります。
　庭畑にはいろいろな農作物が植えられ、奥庭にはわたしの大好きなコスモスが無造作に咲きみだれ、彼岸花が庭畑を囲むように輝いて咲いていました。

　近くの市営温泉で汗を流し、わたしが朝一番で鮮業市場で買ったお刺身と、彼が用意してくれました地ビールで乾杯をしました。そのあとは美味しい地酒を常温でいただきました。

　夕闇せまる庭畑と屋敷林が心を和ましてくれます。時々狐も出てくるそうです。そういえば町営スピーカーで「道路に熊がでました注意してください」なんて流れていました。

　電灯に照らされた深い「夜の闇」が覆いかぶさるように迫って見えます。ステレオからはスタンダード・ジャズが流れています。彼もわたしも今日はテレビを見ていません。飲むほどに酔うほどに、積もる話がテレビを必要としないのです。

　ここで又発見をしました。彼がタバコを吸うとわたしの眼に沁みるのです。それほど空気がきれいなのです。

　タバコの煙が　眼に沁みる　　むかし話に　夜も深けて
　初老の男　べちゃくちゃと　ジャズが流れる　部屋の中
　ロマンはいずこ　甲州路　　タバコの煙が　眼に沁みる

　秩父路と甲州路に溜まりにたまった「ストレス」を置いてきました。本当は７泊８日に「一人旅」に行きたいのです。

　わたしを取り巻く状況が１泊2日の一人旅しか許してくれないのです。初老になり最近は足がガクガクしてきましたが、インターネツトの世界へ足を踏み入れたのが運のつき、指先三寸で誤魔化し騙し、うまくいったと思っていたら、これまた反対に「祭り上げられ」抜き差しならぬ状況になろうとは思いもよりませんでした。

　男はガックリ来たらおしまいです。忙しい、忙しいと言いながら、１泊2日の一人旅をしているうちは花かも知れません。

♪咲きなさいー♪踊りなさいーい♪花のある♪花のあるうちにー♪

★白州みちくさ案内
　http://homepage2.nifty.com/whitesand/

★秩父夜祭の映像が見られます
　http://www.chichibu.tv/recording/index.html