(17)旅の恥はガックリこない(その2で終わり)
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 遊覧船 美人船長 春うらら

 という訳で西海国立公園九十九島(くじゅくしま)の島巡りは美人の船長の話で盛り上がりました。

「いーや。センターラインがなくてよく運転できるねー。障害物が頭に入っているのだね。遊覧船の船長は尊敬するね。それにしても美人だね」

「ところで飛行機は簡単に運転できるね。アクセルを踏めば自然に上に上がる。東名高速で軽自動車が浮いたね。あれと同じ。だけど着陸には自信がないね」

「飛行機のアクセルも足で踏むのね」

「船のアクセルは難しい。なにしろ止まる時にはスキュルーを逆回転させるのだ。それに比べれば飛行機は簡単。アクセルを踏まなければ自然に落ちていくだけだ」

「滑走路というセンターラインもあるし。簡単。簡単。船が一番難しい。それにこの船は美人の運転手だし、おっと船長さんだ」

 こうして1時間30分の観光遊覧船の島巡りは終わりました。わたし達の時間帯は天気もよく暖かでしたが、だが次第に雲行きが怪しくなってきました。次に乗船する人たちが永い、永い列を作っていました。

「いやー。これから乗る人は寒くて大変だね。人数が多いね。もしかして転覆するかも知れないね」
「美人の船長も男に交代だって。ガックリだね」
「島ばっかりで。何にもないよ。止めたほうがいいかも知れないね」

 50メートルの列の人に向かって繰り返して語りかけていきました。

 こんな調子で佐賀県、熊本県、福岡県を観て参りました。福岡県・大牟田では元同僚のOさんと再会しました。

「大牟田も中々仕事がなく大変だ。何とか生きているよ」といい、運転免許を取ったばかりで新車を購入して、嬉しそうに車を見せてくれました。

 Kさんの車で熊本の阿蘇に行ってきました。旅館に一泊して翌日に阿蘇山に行きました。ここは風向次第では「毒ガス」が見学者コースにも流れてくる危険な場所です。

「毒」と「妻」という字がよく似ていませんか。昔、昔ラブレターに「結婚」の「婚」が書けなくて、「妻になってください」を「毒になってください」と書いてしまったことがありました。もちろん毒にも薬にもなりませんでした。




 話は前後しますが、Kさんはお兄さんの所で「百姓の見習い」をやっています。その現場を見せていただきました。山を切り開き、石を積み上げて祖先が開墾した田畑を見て、農業の歴史を少し学びました。

 荒地にするのには3年もかかりませんが、石を積み上げた作った田畑は何十年、いや何百年かかっているかもしれません。そんな日本の農業をダメにしている農業政策は日本国を滅ぼすのではないかと心配になりました。





熊は出てきませんが猪はたくさんいるそうです

 今回の九州旅行で感じたことは、どこに行ってもコンビニ、お馴染みの酒・食事のチェーン店、それに大きな駅には「金貸し広告」が堂々とあります。本来ならば金貸しは町の片隅にひっそりあるべきなのです。日本全国に「金貸し看板」が目立つのはどこかおかしくありませんか。

 ただ東京と違うところは、会社が少なく、車で30分も走ると「集落」があり、田畑があると言うことです。やはり現金収入には苦労の多いところだと思いました。

 自然も誘惑もいっぱいありますが、自然に慕って生活するのには、若い人たちには厳しいものがあります。と感じました。

 Kさんは東京ではいろいろと悲しい・切ないことがありました。その傷心を癒すのにはここは最適の地ではないかと思いました。Kさんからこんなメールが来ていました。

件名「窓ぎわ2枚」
「臼井さん、Eさんとの旅は楽しかバイ。そのうち新幹線の寝台車で江戸へいきます。もちろん窓ぎわの席を取りますで。よろしく罰点」


(2007年4月1日)



●九州珍道中「写真特集」



あの悲惨な戦争のソ連・中国からの引揚者の港に佐世保港も指定されていました







新幹線の寝台特急「はやぶさ」



ローカル電車が街中を走る



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