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野球界の匠(たくみ=すぐれた技術をもつ人)と言われる代表選手はだれでしょうか。そうですイチロー選手です。詳細は皆さんご存知でしょうから省きます。 先日、永六輔氏がラジオで「匠」についてお話をしていました。有名な宮大工さんに「桂離宮と日光東照宮はどちらが日本を代表する建物ですか」と質問したそうです。 答えは「桂離宮は裸のお相撲さん。日光東照宮は京の舞妓さん。どちらも日本建築です」 永六輔氏はとても分かりやすい素晴らしい答えだと言っておりました。 「匠」と言われる人は意外と身近にいます。3年ほど前に自宅の「雨漏り」を何人もの業者が手を入れましたが直りませんでした。 親戚の紹介で30歳前後の若い「工務店主」にお願いしました。彼は屋根に上がって、一言「分かりました。見当違いのところを直していますね」。 感心したのは、今までの「工務店主」は自ら屋根に上がっていきませんでした。彼は80キロ近い巨体で軽々と垂直の梯子に登っていきました。 工事が終わり一言いいました。 「一滴でも雨漏りがしたらすぐ駆けつけます」。あれから2年、どんな激し風雨でも一滴の雨漏りもしません。 専門的なことはわかりませんが「雨漏り工事」はとても難解な工事らしいです。単純に雨漏りの「穴」をふさぐだけではなく、建物全体を診て判断する「能力」がないと、雨そのものは別な場所からも入り込むらしいです。 わたしは、釘一本も満足に打たないし、ノコギリで何かを切ろうと思うと「果たしなく面倒」になります。 「大工センター」などへ買い物に行くと、眼がくらくらして倒れそうになります。「よくもまぁこんな面倒な物を揃えた」と、買う人の顔をじっと見ているだけです。 そういうわけで「匠」という名のつく人は無条件に尊敬してしまいます。 話を前に戻しますが、イチロー選手がなぜ「匠」なのか。それは彼が「寡黙な人」だからです。匠にはおしゃべりはおりません。 日本人はもともと「寡黙に働く」人種ではないでしょうか。その中から「匠」といわれる人が出ているのではないかと思います。 寡黙に働く人が正当な「評価」を受けなければいけないと思います。残念ながら現在は寡黙に働くと「損」をする世の中になっています。 イチロー選手に国民栄誉賞を贈るなどとは、寡黙の匠に失礼ではないでしょうか。どこかの「誰かさん」の人気取りの国民栄誉賞です。 「人気取り」ばっかりやっている「誰かさん」には「国民不栄誉賞」を謹んで与えたいと思います。 |
(2004年10月15日) |
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