思うがまま…

臼井淳一
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(8)「お祭り大好き人間」秩父夜祭り

秩父祭り


秩父祭り


秩父祭り


 秩父は年に何度か訪れますが、中々、秩父夜祭りを観る機会がありませんでした。今年は早くから宿を確保しまして12月2日〜3日と行って来ました。

 秩父夜祭りは京都の祇園祭、飛騨の高山祭とともに「日本三大曳山祭り」に数えられています。それにしましても秩父の人たちは「お祭り大好き人間」です。何しろ年間300以上の祭りがあるそうです。1年中どこかで花火が上がっている計算になります。

 民宿の女将さんに聞いた話ですが「婿祭り」という変わったお祭りもあります。
婿さんを棺桶に入れて親戚中で担ぎ回るそうです。そのいわれは「生まれ変わって嫁の家に尽くす。婿さんを大事にする」というそうです。棺桶に入れられた婿さんはたまったものではありません。

 秩父夜祭りのいわれも、年に一度の「男女神様&男女の不倫」。秩父神社の女の神様と武甲山の男の神様が団子坂の上にある亀の小石で「逢い引き」するのです。6台の笠鉾が団子坂を登る勇壮な模様を観てきました。

 現代では通用いたしませんが、この地方では男の不倫は奥様も許してそうです。その代り不倫を家庭に持ち込みますと親戚中で袋ただきにあうそうです。まぁ、簡単に言えば「かかぁ天下」の風習です。

 それにしましても2キロ四方の町に6台もの屋台・笠鉾がありますのには驚きました。それも一台数億円と言われます。笠鉾の彫刻は見事です。6台それぞれ特徴がありました。

 数十トンもあります笠鉾の切り回し(方向転換)の模様は迫力があります。釘(くぎ)が一本も使われていない笠鉾が「ギィー」という音がして、大きく傾きますと観ている方も息が詰まります。

 一番の花形は「囃子手・はやして」と言われます笠鉾の先頭で「ほーりゃい」と気勢上げる4名です。囃子手は一生に一度、それも品行方正であり、お金もかかるそうです。

 囃子手はお酒を飲み、かなり酔っているために、笠鉾から落ちないために体中を縛られています。宿の女将さんにこんな話しを聞きました。

「囃子手が悪酔をして迷惑をかけますと、人が一番集まるところで笠鉾から落され、その人は一生後ろ指を指される」とのことです。酒癖の悪い人は囃子手にはなれませんね。

 笠鉾の中には外から見えませんが「太鼓部屋」がありのます。約20名の人が交代で太鼓・笛・鳴り物入りで、調子を揃えて奏でています。特に秩父の太鼓はいつまで聴いていても飽きません。5歳のころから太鼓をたたくそうです。

 秩父夜祭りは3日の夜が「本番」と言いますが、今回は2日、3日といろいろ観てきました。お勧めコースは2日の朝早く行き、秩父神社付近にいますといろいろ楽しめます。笠鉾の引き回しや神事もじっくり観る事ができます。

 3日は人が多すぎてじっくり観られません。3日の夜だけ行くのはあまり意味がありません。3日の人では19万人でした。

 3日は、宿を朝早く出て、秩父神社付近の有料駐車場に入れ、1000軒の露天商を見たりして、疲れたら車の中で休み、夜になりましたら羊山からの花火と提灯に彩られた笠鉾の行列を観て、それからゆっくり帰宅してもいいと思います。

「秩父にいろいろなお祭りがありますが、年々秩父市の産業が減り、この地に暮らしていけなくなる状況があります。そうなりますとお祭りも維持できないかもしれません」と、団子坂で仲良くなりました祭りのハッピを着た人がポツリと言いました。

 そして最後に「お客さん、2日も観たのですか。お祭りが好きですね。来年もきてください。私たちも頑張ります」とにっこり笑って言いました。

 今回の旅行でも秩父の美味しい、美味しいお水を50リットル汲んできました。冬のなべ料理には美味しいお水は欠かせません。

 来年も秩父には何回もいきたくなりました。

秩父祭り


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【秩父夜祭り関連リンク】

●秩父夜祭.TV リアルタイムで映像配信!

●秩父夜祭(一番組中近巴會)

●秩父夜祭



(2008年12月15日)



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