思うがまま…

臼井淳一
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(10)川崎大師とくずもち

川崎大師

 初詣には行ったり行かなかったりの人生ですが、今年はなんとなく川崎大師に行ってきました。初詣と言いましても1月も10日過ぎのことです。平日なのに駐車場を見つけるのに大変でした。

 元々、神や仏を信じないのですが、何故か子どものころから神社・仏閣に興味がありまして、夏休みの宿題に京都の「南大門」をマッチ棒で作った思い出があります。

 旅に出ますと必ずその町の小さな「郷土・資料館」や古寺に立ち寄ります。「郷土・資料館」や名も無い古寺には、この町で過去に生きてきた人たちの「香り」みたいなものを感じます。

 川崎大師の「香り」はやはり「久寿餅・くずもち」です。くずもちに蜜や黄な粉を入れる前の香りが哀愁を誘います。

 くずもちの賞味期限は3日間です。この3日が勝負なのです。今回、九州の友人に送ったのですが、着くまで2日かかりますので、着いた日に食べて頂くようお願いしました。

 わたしの育った町には、子どもの頃「くずもち屋さん」が1軒ありました。ここで食べるのは年に数回でしたが、くずもちを食べた後は、一週間ぐらいは舌に甘い酸味の香りが残っていました。

 今では蜜と黄な粉をたっぷり付けないと美味しくいただけません。それだけ舌が贅沢になったのだと思います。

 3日が「勝負」の食べ物だから、川崎大師の名物として昔からあるのです。川崎大師は京浜工業地帯のど真ん中にありますが、大昔は麦畑だけでした。そこで「でん粉」を素材にした「くずもち」ができ、お寺さんの名物になったといわれています。

 川崎大師にはどのようなご利益があるのでしょうか。いろいろにお守りを買ってきました。わたしに必要なのは「交通安全」のお守りぐらいです。
 女房は3つも4つも買っていました。「身代守」「厄除御守」「開運御守」「合掌佛御守」と。「安産御守」おっとこれは買いませんでした。

 女房いわく「もうここには来ない。いろいろとお守り買わされてしまう」と。うーん。これではご利益はありませんね。

 ご利益といえば、ご利益のつもりで政府は「定額給付金」を全国民にばら撒くようです。当初はそれなりに「歓迎」する人がいましたが、今では「そんなお金は要らない。景気回復に回して欲しい」という人が圧倒的に多くなりました。

 それでもばら撒くならば、太郎さんから頂いたお金で「身代守」「厄除御守」「開運御守」「合掌佛御守」を送りたくなりました。ついでに「安産御守」も付けまして……。

 川崎大師のご本尊・厄除弘法大師(やくよけこうぼうだいし)様に
「よけいなことをするな 太郎は疫病神だ 捨てる神はあるが 拾う神はない」
 と怒られるかもしれませんね。



川崎大師


川崎大師



川崎大師


(2009年2月1日)



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