思うがまま…

臼井淳一
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(21)アメリカのワールドシリーズに「喝」

 松井選手のワールドシリーズ・MVPにケチをつける気は毛頭ありません。本当に怪我を克服して栄光を掴んだと思います。アジア・日本の誇りです。

 ケチをつけたいのは「ワールドシリーズ」という名称です。先日もテレビで野球解説者・張本氏が「ワールドシリーズではない。アメリカシリーズだ。世界一はWBCの日本です。ワールドシリーズの名称に喝だ!」

 初めて開催されたワールドシリーズは1903年(明治34年)です。それから延々と103年も名称を変えておりません。

 日本も1872(明治 5)にアメリカからベースボールが入り、1915(大正 4)夏の甲子園大会が始まっています。

 野球発祥の地はアメリカです。又、多くのことをアメリカから学びました。そして野球が各国に普及して、それぞれの国の文化のスポーツとして野球は普及・発展してきました。

 この10数年は日本からもメジャーを目指す選手が増え、活躍しております。アメリカ野球の実力が衰えたのか、各国の野球レベルが高くなったのかそれは分かりません。事実はメジャーでも他国の選手が通用するということです。

 日本はオリンピック野球、WBC、ワールドシリーズ、日本一シリーズと大きくマスコミは取り上げ、老いも若きもテレビ・球場で熱狂いたします。これだけ野球を受け入れる国民はいないと思います。

 阪神が何年も優勝できなくても、観客動員は12球団1という現象は、日本における野球文化の特徴ではないかと思います。

 「ワールドシリーズ」もアメリカにおける野球文化の特徴だと思います。世界にアメリカ野球文化を広げた役割は大きいと思います。

 問題は何時までも「ワールドシリーズ」にあぐらをかかないことです。日本国民もワールドシリーズに松井選手が出ていなければ興味を示さない人も多くいると思います。

 ワールドシリーズは「世界1シリーズ」ではないと思います。正しくは「アメリカンシリーズ」。「アメリカ1」を決めるシリーズです。

 日本には「おごる平家は久しからず」ということわざがあります。何時までも「ワールドシリーズ」の名称を正しく改めないと、口の悪い人には「ヤンキー・シリーズ」などといわれかねません。それとも「多国籍・インターナショナルシリーズ」が適切な用語なのかもしれません。

 時代は動いています。政治・経済もアメリカ中心ではなくなりつつあります。もちろん文化・スポーツも同じです。

 まぁ、そうは言っても「ワールドシリーズ」の名称は変わらないでしょう。変革を繰り返して発展してきた国ですが、元々は誇り高き・香り高きヨーロッパ人が祖先・元祖なのです。

「インディアン嘘つきません。誇り高き・香り高きヨーロッパ人には平和な暮らしを破壊させられました」。

「すいません。アジア人が生意気な事を言いまして」
とは謝りません。


(2009年11月15日)



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