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大晦日に屋敷の裏にある土蔵(どぞう)の片付けをしていましたら甲冑を見つけました。
わたしの祖先は百姓なので甲冑などには縁がないはずです。おそらく昔、昔この付近で行われたであろう合戦から盗んできたことと思われます。 もう一つの疑問は、百姓なのになぜ土蔵などがあるのでしょうか。これも推測ですが祖先には「盗み癖」があってのではないでしょうか。屋敷も蔵もだまして盗んだのでしょう。 わたしも祖先の血を引いて「盗み癖」がありまして、こどもの頃から落ちている物と、置いてある物の区別がつかずとても悩んだことがありました。 鑑定士に甲冑を調べてもらいましたら「徳川家康」の甲冑であることが判明いたしました。 ついでに鑑定士に値段を聞いたところ「約2千万円」との事です。意外と安いのに驚きました。なぜ祖先は戦場から10個ぐらい盗んでこなかったのか。10個なら2億円でした。残念です。 土蔵の中をもう少し調べてみましたら、掛け軸が何本もありました。そのうちの一本を広げてみると、よく分からない鳥が枝に止まり、隅のほうに「武蔵」と小さく書かれていました。 紛れもなく宮本武蔵が書いた掛け軸です。だがちょっと待てよ、これは贋作かも知れないので、再度鑑定士に依頼をいたしますと、やはり贋作でした。それでも時代物の贋作なので1本百万円はするとの事です。 想像するには若い絵師が、旅の途中でお腹がすき、我が家に宿泊して、一宿一飯のお礼に書いたのではないでしょうか。修行中なので偽名を使ったのでしょう。 何本かの掛け軸を調べましたが、悪筆で「へのへの」としか書かれていません。祖先はわたしに似て悪筆で「いたずら」が好きだったのでしょうか。それとも何か深い意味があるのでしょうか。「へのへの」の意味を年が明けるまで考えました。 結論は「へ」は屁です。「の」は野です。臭い野原を掘れということです。我が家の庭には臭い場所はありません。 だがやっと分かりました。それは大きな銀杏(いちょう)の木が庭に何本もあり、毎年のように秋に銀杏(ぎんなん)が落ちます。冬でもギンナンはそのままです。そのギンナンの臭いこと、臭いこと。そうなのです。イチョウの木の下を掘れということなのです。 早速、弟に電話をして「穴掘り機械」で黄金色に輝くイチョウの落葉の下を掘りました。5時間をかけて10メートルも掘りましたら、穴の底に小判が黄金色に輝いているではないですか。 思わずわたしは穴に飛び込みました。靴の底に「チャーリン」「チャーリン」という小判の感触がとても心地よいです。だがそのうちに身体がずるずると小判に埋まっていくではないか。 「だれかー 助けてくれー」 あっ、夢だったのか。それにしても小判に埋まるなんて。 わたしの家には「土蔵」などありません。小さな物置と駐車場だけです。ただ地名が「大蔵町」です。イチョウの木は隣のお寺にあります。臭いです。 初夢や 小判ざくざく 臭かった 新年早々、甲冑など着こんだ写真を載せていますが、これは東京・神田の「時代屋」に行き、恥ずかしながら撮影してきました。 時代屋のHPです 若い女性の店員がこんなことを言いました。 隣にいたお客さんが、ポツリと 鎧兜(よろいかぶと)に身を固め |
(2010年1月1日) |