|
「モシモシ。俺だけど。まだ生きている?」 元会社の同僚・昔の悪友という気安さから、友人のフーさんには月一回は「生きているコール」をするのです。 お互い四捨五入すれば70歳になりますが、気持ちだけは青春時代にすぐに戻ることができます。但し青春時代に戻るには少し認知賞?気味の二人です。 3月の初めにフーさん宅に12人ほどの元会社の同僚と定年近い人が集合して、一緒に働いたことがある亡きフォークシンガー・高田渡を偲び「タカダワタル的ゼロ」のDVDを観ました。 もちろんビール・お酒・焼酎・ワインを飲みながらです。酒の肴はよく煮込んだおでん、刺身、お土産の長崎・笹かまぼこ、Aさんの本場仕込みのギョウザ、その他テーブルに乗り切れないほどの豪華料理でした。
この日は、がん療養で「定年退職者の会」にも顔を見せませんでしたK・Kさんが来てくれました。がんはどこかに吹き飛んでお元気でした。 肝心の「タカダワタル的ゼロ」のDVD観賞ですが、酔って話しているので、高田渡を偲ぶというよりは、むかし話で盛り上がり、高田渡が酒の肴になってしまいました。それでもDVDの高田渡の想い出は全員が鮮明に覚えておりました。
K・Tさんのことを一口に書きますと「賭け事大好き人間」「頼まれたら嫌といえない人間」それにまつわる話は一日話しても飽きません。とくに奥さんに逃げられた話などは、笑いを通り越してあきれ果ててしまいます。 集まった12名はそれぞれ、わたしも含めてK・Tさんと同じようにスネにも腕にも愛という傷を持った優しい人たちばかりです。
1960年代〜1970年代は、わたしたち若者は夢と希望に満ち溢れていました。そのためにいろいろな事をやってきた仲間なのです。 もちろん夢と希望を追及するには、時には羽目を外しました。だが信頼と友情に支えられた昔の「絆」は何年経っても光輝いています。 亡きフォークシンガー・高田渡が12名の仲間を集めてくれたのかも知れません。彼の歌を改めて聴きますと詩がとてもいいのです。 「アイスクリーム」高田 渡 アイスクリーム アイスクリーム 高田渡 「アイスクリーム」「コーヒーブルース」 肉まんじゅう 作詞 臼井淳一 肉まんじゅう 肉まんじゅう T・A・K・A・D・A といえば? 高田!たかだ!TAKADA!! そうこうしているうちに夜が更けていきます。明日の仕事のある人はK・Tさんに駅まで車で送ってもらい、残った人でさらに飲みなおしです。 外には季節はずれの雪が舞っています。明日仕事に行かなくてもいい「幸せ」と喜びを残った人たちで永遠と語り合うのです。 雑魚寝を覚悟したのだが、遠来より友ぞくぞくと来るために、心優しいフーさんが新しい布団を3組も用意してくれました。 外は本降りの雪になってきました。暖かい布団にくるまって、頭の中で今日みたいな「集い」を今度いつやろうかと考えているうちに、両まぶたが思考能力をなくし、深く深い眠りにつくのであります。(2010年3月7日〜8日午前) |
(2010年5月1日) |