有名な「三春の滝桜」は満開に近く見事でした。例年ならば平日でも多くの人が訪れます。土・日は高速を降りてから３時間もかかるそうです。今年は見学者が少なく10分もかからず観ることができました。

　そのあと鶴ヶ城公園で、一緒に行ってもらった友人の布田さんとこんな会話をしました。
「あれ　ここの桜は散ってしまったのかな？」
「そうだな　福島も広いからね？」
「それにしても　花びらが落ちてないね？」
「まめに掃除しているからね？」

　二人して周りをキョロ、キョロ見回す。そして桜の木を見て驚く。
「あっ　よく見ろよ　まだつぼみだよ」
「本当だ　福島も広いね？」

　今回の福島行きはこんな会話から始まりました
　布田「去年の青森行きがパーになったのでどこかへ行こう」
　私「こんな時だから福島あたりどうかね」
　布田「そうだ。そうだ。被災者の皆さんに元気を出してもらおうよ」

　こんなことから計画が始まりました。福島でも東京でも大きな余震がつづいている最中に少し無謀な旅かと思いました。もちろん家族には反対されました。

　よし。どうせ行くなら子供たちと大人に「野球用品」を届けようと思い、掲示板にこんな書き込みを行いました。

『まだまだ首都圏でも大きな余震が続きます。避難されています皆様も苦労がつづく毎日です。幸い首都圏では野球ができます。この野球ができる幸せを少しでも被災された方にも分かちあってもらえるために、チームに不要になりました野球用具を被災地に届けたいと思います。試合当日、審判員に渡していただければ幸いです。ご協力のほどをよろしくお願いします。なお、野球用具は新品でなくても結構です』

　みるみる内に反響がありまして、野球用品が続々と集まりました。

　被災地に送ります野球用品［11/4/15］
　http://www.mbua.net/me/me_data/2011/11-005.html

　そして今回の旅となりました
　東日本大震災で被災されました草野球の仲間達・少年野球の子供たちへ

　福島・三春町の職員方は『野球用品などはこれから落ち着けば必要になるので歓迎です』と電話でいわれました。いろいろな所に電話をしましたがそれぞれ温度差があるようです。

　21日に三春町社会福祉協議会館を訪れました。私どもの物資を見て
「うあー、野球やりたい」「子どもたち喜ぶわ」『ありがとうございます』といろいろな方から声をかけられました。

　三春町は地震の被害が比較的少なく、被災者を受け入れる最適な位置にあります。また、県内の被災地に日用品などを運ぶ場所一つなのです。多くの物資が整理され置かれていました。

　これで肩の荷が下りましたのでほっとしました。

　話は前後しますが、白虎隊で有名な飯盛山・白虎隊記念館を見学しまして、鶴ヶ城公園へ向かいました。どこへ行っても観光客はまばらです。

　特に会津の「大内宿」は物産展並ぶ古い町並に観光客は数人しかおりませんでした。お店の人の話だと「こんな状況は初めです。これからのことが思いやられます」と言っていました。

　http://www.ouchi-yamamotoya.com/ouchi/ouchi.html

　一泊した民宿には、いわきナンバーの車が10数台ありました。20キロ県内で被災されて、被災地を転々として、やっとここの民宿に落ち着いている方々です。食堂でお話を聞いてみますと。

「家は地震では潰れていないし、何時帰って住める状態なのです。原発で帰してもらえないのです。今晩も補償の話し合いがあるのです…」

「早く帰り畑をなんとかしたいですが…、原発事故で先が見えないので復興の希望が持てません。地震だけならよかったのですか…」

「家族がバラバラで避難しています。早く孫たちと一緒に前のように暮らしたいです…」

　込み入った話はできませんでしたが、避難されている方は70歳以上の方でした。食事の後片付けをしたりして、宿には気を使っている様子でした。

　今回は福島のほんの一部に行ったに過ぎませんが、宮城県・岩手県の被災状況はそれぞれ違うと思います。わたし達の応援の仕方もそれぞれの実情を把握して行いたいものです。

　最近の報道によりますと会津方面は、関東・東北方面の小・中学校の「春の就学旅行」の予定が入っていました。「万一のことを考え回避」しているそうです。これは全国的に広がる恐れがあると思います。

　菅家一郎会津若松市長は「会津若松市は福島第１原発から100キロ前後の距離にあります。積極的に情報を提供するので、ぜひ会津を訪れ、応援してほしい」と話しています。

　また、観光地の方は言っておられました。
「救援募金もありがたいです。全国の皆様が来てくれることがもっとありがたいです。私たちもがんばります」

　会津はとてもいいところです。皆さん。ぜひ会津に行ってあげてください。

　今回、三春町へもって行きました物資の明細
　金属バット7本、少年用グラブ6個（新品）グラブ大人用6個、ボール10ダース、子供用バトミントンセット10ダース、野球マスク（新品）、シャンプーなど日用雑貨品2万円分（先方の要望）。

　今回ご協力をいただきましたチームの皆様・関係者の皆様、車一杯の物資を届けることができました
　あらためて御礼申し上げます。