思うがまま…II

臼井淳一
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(16)大腸手術の模様を解説いたします

 今まで人生の中で入院生活はすべて検査入院でした。18歳で尿管結石の激痛を嫌というほど知りました。この病気は5年周期でやってきました。病院で水をガブガブ飲み、飛んだり跳ねたりしているうちに石がポロリと出てきておしまいです。その石は宝石のように輝いています。だが2日で砂になってしまいます。
 定年後はピタリと止まりました。やはりストレスが原因だったのでしょうか。

 今回の2泊3日の入院は、大腸のポリープを摘出する入院です。
 昔、大腸検査を初めてした時には、バリュームをお尻から入れて、レントゲン室で横になったり縦になったり、終わるとすぐにトイレに駆け込むような、かなり苦痛を伴う検査を体験しました。

 大腸検査の良いことは、検査前に腸をきれいにするため水を2リットル飲みます。そうしますとお腹の宿便までがスッキリ取れます。検査が終わった後のビールの美味しいことは体験者でなければわかりません。まぁ。そんな事をやっているから罰が当たり今回のような事態になりました。

 それでは40分にわたる摘出手術の模様は、モニターテレビを見た時を思い出して解説をいたします。食事前の方は読まないほうがいいと思います。


写真
ポリープがどこにあるかわかりますか?
この写真は9月26日に近所のクリニックで撮った写真です。


 医師の説明によりますと「紹介状を書きます。病院でポリープを取ってください。私にもできますが入院したほうが安心です」
 と言うことで、話しは前後しましたが手術の解説を始めます。

 まず、内視鏡をお尻から挿入いたします。今回で3回目になります。前回の2回は不覚にも眠ってしまいました。

 先日テレビで『光る壁画』という内視鏡が完成されるまでのドラマを見ました。戦後すぐに医療研究者の方々が苦労して内視鏡を完成させたドラマです。内視鏡が日本で発明されたことを知りました。前文が永くなりましたいよいよ手術の解説に入ります。

 まず内視鏡で腸の全体を15分ほどぐるぐると回して見ます。その間は少しお腹が張りますが痛くはありません。モニターには内視鏡の先端にハサミと糸が見えかくりします。先生の「よいしょ」とか「痛くありませんか」の声が聞こえてきます。

 いよいよポリープに糸をかけるのです。西部劇映画でカーボーイーが牛に投げ縄をかけるようにそれは見事におこないます。思わず「先生!うまい」と声をかけたくなります。

 ポリープもいろいろありまして「はげ頭に鉢巻」をしたようなポリープはツルットすべり外れてしまいます。そうしますとはげ頭をハサミでボコボコにして糸をかけて取ります。

 この場面は何回も繰り返すので「もっと右、ちょい左、OKです」と心の中でつぶやいてしまいます。糸がかかったときにはホッとします。

 それにしましても大した職人技です。いや職人ではなく医師の職人芸術技(わざ)です。

 ポリープを切り取る時には「100万ボルト?」の電流が流れます。腸の中を電流がショートしないように?足の裏に看護さんがアースみたいな物を張ってくれます。電流を逃がしているのです。これが意外と気持ちがいいのです。

 時々、赤くピカピカと光る映像がモニターに写るのは、おそらく出血した腸内を洗浄しているのではないかと思います。これも気持ちが良かったです。

 約40分で腸は綺麗になりました。まるで黄金に輝く魔法瓶の中のようです。実は大変な事を忘れていました。手術の前に、先生にビデオを撮ってもらうことでした。

 以上で解説はおわりますが、これはあくまで「思うがまま」書いたもので医療知識の参考にはくれぐれもしないで下さい。

 最後にお世話になりました。先生、看護婦(師)の皆様方ほんとうにありがとうございました。

 これまで入院した病院では最高に良かったです。一般病棟もスペースが広く、病室から見える「100万ドル夜景」は最高です。絶対に他の人には紹介したくありません。その理由は次回入院する時に空きかなく困るからです。

 今回の入院では「看護婦(師)研究」の目的で、入院初日にいろいろお話を聞きました。また退院の日には生活・食事指導の「パンフレット」をわたしのためだけに作られたました看護婦さん「ありがとうございました」。

 11月15日の通院日にアンケートをお渡して、お話ができる日を楽しみにしております。


病院
病室からの景色

病院
病院の全景


(2011年11月1日)



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