思うがまま…II

臼井淳一
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(32)2013年はパッチリと眼を開いて

  あけましておめでとうございます
 2013年は皆様にとって良い年でありますように

 運転免許を取得して40数年になります。自慢ではありませんが一度も所轄の警察で更新をしたことがありません。すべて府中刑務所ではなく府中運転免許試験場での更新です。ということは違反をしているということです。

 ある年のことです。駐車違反をそのままにしておきましたら「悪質運者逮捕状」が送付されてきました。2月の府中運転免許試験場の寒々とした建物の中で免許書を取り上げられ、さらに「宣誓」までさせられました。

「宣誓 われわれは正々堂々と罪を認めて服役いたします」と。悪質運転者が多く、暗い感じの建物には二度と行きたくありません。

 この5年間は奇跡的に違反がなく、このままいくと所轄警察署で更新できると喜んでいました。ところがなんと「免許証更新のための講習」という手紙が10月に届きました。

 内容を読んでみますと70歳を1月6日に迎えるので、3時間の講習を指定された自動車講習所で受けなければなりません。なんと5800円も取られるのです。

 講習の中身には実技もあるのです。5人受けて一人の方はペイパードライバーなので、わたしの後ろに乗っただけで実技はパスでした。変な講習だと思いませんか。ちなみにこの講習を受けませんと免許の更新はできません。

 その人に「なぜ免許を返納しないのか」と聞きますと「返納すると寂しくなるから」という答えでした。返納して1000円払って「運転経歴証明書」を貰った方が得策です。

 更新のための講習を受けてから2カ月後に待ちに待った更新ハガキが届きました。今回は違反がないので初めて所轄の警察署で更新できるのです。嬉しくなり朝一番で行きました。

 ここでショッキングなことが起きてしまいました。いつもは目の検査は一発でパスするのですが、何回やってもパスできません。見かねた署員の方が「30分休んでまたやりましょう」ということになりました。30分後にようやくOK
を頂きました。というよりは見逃してくれたかも知れません。



 わたしはショックですぐに眼科に行き検査をしました。結果は白内障と診断されました。手術の手続きをすぐにしました。12月にやっていただけると思ったらなんと今年の3月まで待たないといけません。

 昨年10月の「免許証更新のための講習」でも眼がよくない結果も出ていたのです。この時に受診していれば今年の正月は眼がパッチリして、「初日の出」を見ることができました。今では太陽を見ますと頭までクラクラします。

「白内障」などという病気は自分には全く無縁だと思い込んでいました。なにしろ体の中で自慢できるのは「眼」だけなのです。自慢ではありませんが自宅から大山が見えます。その大山に登っている人までわたしの眼は見えたのです。

 最近は車を運転していて暗くなりますと、標識が人間に見えたり、前を走っているトラックが「ビル」に見えたりするのです。大きな事故を起こさないのは「運」と「長い運転歴」だけです。

 あまり触れたくはありませんが、野球の審判でもチームの皆様にご迷惑をおかけしたと思います。「眼は審判の命」なのです。「命」をおろそかにして審判をやることは言語道断です。

 2013年も審判をつづけたいために体を鍛えてきました。肝心な眼の衰えを忘れたことはやはり「自信過剰」です。新年早々反省・また反省です。

 さて次の免許更新はさらに厳しくなります。認知症のテストもあります。

「今日は何日ですか」ハイ。2月31日です
「ここはとこですか」ハイ。交通刑務所です。
「奥様のお名前は」ハイ。吉永小百合です。
 これで運転免許証ともおさらばです。

 なになに。次の更新まで生きるのかですかって…?
「生きます。行きます。新しい年を何回も迎えます」

「行きます」ではないでしょう。「生きます」でしょう。
 こりゃダメだ。

 


(2013年1月1日)



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