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[11]韓国・歴史と文化の旅(下)


 先日、第48作「男はつらいよ・寅次郎の紅の花」をテレビで見ました。ご存知シリーズ最後の作品です。このラスト・シーンを見て驚きました。なんと韓国の民族衣装を着た人たちが、神戸の震災復興の「広場」で踊っているではありませんか。
 わたしはこのラストシーンを見まして「うーん。監督はやはり韓国ロケをやりたかったのか?」前回の疑問がますます深まってまいりました。↓↓
http://www.terra.dti.ne.jp/~j-usui/saturday/usui/otoko/otoko-010.html



 今回の韓国の旅では「板門店」に行ってまいりました。この場所は、韓国と北朝鮮が「会談」を行う場所として有名です。ここでは「北朝鮮の兵士」をすぐそばに見ることができます。また、イムジン川という川がところどころで「軍事分界線」となっております。「板門店」という名前の由来は、昔近くにあった「煙草屋の名前」らしいです。ここでの昼食は、軍服を着た韓国兵、米兵と一緒の食堂でした。まるで国連軍に参加しているような気分になりました。



緊張感ある軍事休戦ライン上にある建物


建物の中での韓国兵士
(記念撮影もOK)


建物から外の北朝鮮兵士を写す


 韓国は外貨をしっかり稼ぐための「観光資源」として「板門店」を利用しています。撮影禁止・罰金100万円の場所もあります。それでいて一番見晴らしのいい所は撮影が自由なのです。若い女性たちは、韓国兵や米兵と「記念撮影」を喜んで撮っていました。「緊張感」はまったくありませんでした。

 わたしたちが4日間お世話になりましたガイドさんは、日本の学校を卒業した「考古学」にとても詳しい50才台の女性の方でした。日本で発見されています「古墳」「史跡」に詳しく、すべてを韓国の古代期と結びつけて説明していました。また、初日にこんなことを言いました。「北朝鮮は閉鎖的だし、これからもお付き合いはしたくない」この発言は、わたしたち日本人への「拉致問題」を配慮してのことだと思いました。

 ところが、板門店を案内してくれました別のガイドさんは「同じ民族だし、遠い親戚もいるし、できることなら早く同じ国になりたい」と言っておりました。このガイドさんはまだ20才台の若い女性でした。韓国の現代史を1時間にわたり解りやすく説明してくれました。

 実は、韓国の人は「板門店」に行くには、5カ月前に申請手続きが必要なのです。このことをガイドさんに質問しましたら「さっきちゃんと説明したでしょう。私の話を聞いてないですね!私は板門店専門のガイドです!」と一喝されてしまいました。頭のいい美人女性は世界各国「おぉ、怖い」です。

 お二人のガイドさんの「国の統一」に対する「意見の相違」を私は敏感に感じました。それとなく50歳台のガイドさんに聞いてみました。なかなか「本心」は答えてくれませんでしたが、複雑な問題があるようです。たが、わたしたちが「真面目な観光者」と思ったのか、若いガイドさんが言っていたような内容をお話してくれました。

 日本は59年前に戦争は終わっています。韓国は旧日本軍の永い支配から開放されても、その後、内戦という「悲惨な体験」をして国が2つに別れました。現在、韓国は「安定」しているように見えますが、「徴兵制」はあります。近代資本主義国家としてやらなければいけないことがたくさんあるようです。それにお隣の「北朝鮮」との将来のこともあります。

 日本は平和です。今回の「韓国・歴史と文化の旅」で、つくづく「平和」のありがたさが分かりました。

「日本も平和と戦争は紙一重だよ。島国だと思って安心してはいけないよ。神風はそうそう吹いてくれませんよ」…(天国の寅さんより)

(2004年4月15日)



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