小沢先生　その後（９）

　私は72歳の老人と云われる年になりましたが、おかげさまで元気に一人で年金生活を送っております。

　今、一人の気の毒な青年の面倒をみております。この青年の小学生、中学生、高校生の12年間、ひどいいじめを受け、また、担任の教師の実に情けない指導ぶりを聞くにつけ、あなたの恩師・小沢勲先生の素晴らしい生き生きとした指導、熱意をぜひ知りたかったのでございます。

　尊い「エントツ復刻２」を拝読し、本当に涙こぼれる思いでございます。このような先生に接して来られました子供たちは一生涯、その思想は健全であり、心優しく、勇気に満ちあふれた、幸福とは何かという事をしっかり身につけた頼もしい人間に育って行かれたと存じます。

　たった一人の先生の活動は、こんなにも多くの子供たちに尊い影響を与えるものか……と、しみじみ感動いたしました。
　誠に誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

　小沢先生はお気の毒にも、精神を病まれ、お気の毒な最後をとげられたとの事を知り、とても悲しいです。でも私はキリスト教の信仰を持っておりますので、人間の魂の永遠性を固く信じております。先生は来世で元気を豊かに回復され、ご自分の一番なさりたい事を追行され幸福にお暮らしている事でしょう。皆さんとご一緒に心より喜び会いたいものです。

　故小沢先生のご指導を受けられました、同窓の皆様がどうかこの素晴らしい先生を生涯忘れずに、家族、友人に接する、あらゆる人々に本当の温かい愛をもって接していただけますようひたすらお祈り申し上げます。(原文のまま)

　お手紙を読み終わり、思わず「便箋」に涙がポロリと落ちてしまいました。女房にも手紙を読んであげ、最後は鼻が詰まりビールと共に流し込みました。

　「小沢勲の成してきたしごと　エントツ復刻2　木俣敏編」は、今、少しずつでありますが、マスコミのコラム欄、書籍紹介欄に紹介され、問い合せが臼井にきております。上記のようなお手紙を頂きますと本当に「出版して良かった」としみじみ思っています昨今です。

　この間、小沢先生の「教え子」とも連絡が何名かとれるようになりました。ぜひ、ささやかに「出版記念」をやりたいと思っております。　木俣敏様、北原さん、金光さんに感謝です。