【11】

故郷のお祭り

作 臼井 淳一  



生麦のまつり


 久しぶりに故郷・横浜生麦のお祭りに行きました。生麦駅前の「山陽堂」書店に行き「エントツ2」の売れ行きを聞くと30冊売れたと言われました。昔、亡き両親と親交があった「山陽堂」書店のご主人の話しでは「日産、造船会社、キリン麦酒と、大手の企業がなくなったり、リストラで人がいなくなり、町に活気がなくなった」と寂しそうに話しておられました。
 
 叔父の家で新鮮な魚の刺身、貝柱のてんぷらをご馳走になり、お神輿が来たので外にでると、何年振りかに子どもころ遊んだ仲間や、近所の人とあいさつし、お互いの近況を話し、再会を楽しく語りあいました。
 それにしても、子どもが少ないのにはビックリしました。「子ども神輿」もなく、山車も大人が半分引くという状況です。私達のころに比べて三分の一も子どもがいません。寂しくなりました。

 帰りに「鮨や」さんにより「エントツ2」の話しをしたら、「小沢先生知っている家にもよく自転車できました。とてもいい先生でした。教え子も近所にいますから本のこと教えてあげます」と奥さんが言ってくれました。
 
 よーくお話を聞きますと、奥さんは、小沢先生の教え子ではないが、「作文」が大好きで、「エントツ2」も今読んでいる最中。私がお店に入ってきた時から、小沢先生に関係ある人だと思っていました。と言われました。

 故郷のお祭りに行きとても有意義な一日でした。

(2001年8月)