作 臼井 淳一


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 (7)定年後の楽しみ

先日、久しぶりに北海道の友人に電話しました。
「定年になったら遊びにいくから…」
「どんどん来てよ。奥さんと一緒に」。

 また、近く定年を迎える山梨の友人にも。
「別荘と自宅の電話番号教えて…」
「この前教えたろう。なに!無くした。バーカー」。

 こんな調子で古い友人、知人に「つなぎ」を復活しております。
 になしろ「暇」になることは間違いありませんので、いかに有効に暇を使うか今のうちに考えておかないといけません。

 ふだん書きたいと思っていた「作文」もどんどん書こうと思っていますが、これが意外と難しいのです。わたしは、「見たり、聞いたり、食べたり、飲んだり、体験したり」しないと書けないのです。
 今まで、書いてきたものはほとんどが「ウソパッチ」に近いものばかりなのです。じっーとしてパソコンに向かっていたのでは「ウソパッチ」も書けなくなるのです。

 来年からは「刺激」「緊張」「怯え」「闘争力」「我慢」「罵り合い」「ネクタイ」「昼飯」「席の取り合い」「ご機嫌伺い」「定期券」これらがすべてなくなるのです。せめて「席の取り合い」と「罵り合い」がないとわたしは完全にボケ人間になる気がします。
 
 解決策を見つけました。一週間に一度会社にいくことです。そこで電車の中で思いきり「席の取り合い」をして、会社では思いきり、上司、同僚と関係なく「罵り合う」。これがボケ予防の最善の解決策です。
 もう「首」になる心配はありません。だぁーれにも「迷惑」をかけません。定年後の楽しみがまた一つ増えてきました。
 
 あぁ。大切なものがなくなるのです。それは「スリルとサスペンスとロマン」です。どうしよう。どうしよう。これがないとわたしは生きていけないのです。
 よーく振りかえってみました。「スリルとサスペンスとロマン」。いままでもそんなにあったかな。そんなことより今の政治にたえず「怒り」を感じて生きていかなければ……。


(2002年8月1日)



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