作 臼井 淳一


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 (13)「腸がないなー。臼井さん」

 大腸にバリュームを入れる検査をやりました。検査そのものはたいしたことがありませんが、前段階が大変でした。何しろ検査の3日前から禁酒なのです。
これが一番堪えました。365日飲みつづけているお酒を3日間も辞めるのです。手が震えてくるかと思いましたが、「頭」が冴えてきました。わたしはこんなに頭がいいのかと再確認したくなるほど冴えてきました。

 さて。検査の当日ですが、前夜から絶食、朝も絶食、お昼も絶食。お腹の中は下剤ですべてを出し、ふらふらしながら午後2時の検査に挑戦。
 レントゲン室では横向いたり。上向いたり。下向いたり。けっこう体力のいるポーズを取らされました。

 そして、検査の結果を11月12日に聞きに行きました。フィルムには赤丸がたくさんついていました。
 先生「うーん。念のためににカメラを入れるか」。
 私「なにか悪いところがあるのですか?」
 先生「うーん。念のためだよ。念のため。悪いところがあったらつまんでとっちゅうよ」。
 私「先生。徹底的にやりましょう。禁酒はありませんか?」
 先生「看護婦に聞きなさい!」。
 ということで「念のため」で、もう一度、今度は大腸にカメラを入れてもらうことにしました。禁酒はやはり3日間ありました。

 ここで先生との会話をもうひとつ紹介します。
 私「下剤でお腹の調子が良くなりました。最近便が臭くないのです」。
 先生「うーん。たまに腸をきれいなするといいのかな」。
 私「腸の検査が大好きななりました」。
 先生「腸がないなー。臼井さん」。

 お医者さんと仲良くなるのも私の特技です。
「先生。お年はおいくつですか。へぇ。お若いですねー」。
 そういうわけでありまして、12月に入りましたら3日間ばかり入院することになります。久しぶりの入院で本心はドキドキ・ワクワクしております。
 私の「退職・送別会」が「偲ぶ会」にならないように神々に祈るばかりでございます。

(2002年11月15日)



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